英莉花へ メジャー初V「おめでとう!」 15歳から育てたジャンボ師匠が初めて褒めた

[ 2020年10月5日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 日本女子オープン最終日 ( 2020年10月4日    福岡 ザ・クラシックGC=6761ヤード、パー72 )

優勝カップにキスする原英莉花(代表撮影) 
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 日本オープン5勝を含むツアー通算94勝を誇る尾崎将司(73)は、最終日の戦いを一人で画面越しに見つめた。愛弟子のメジャー初Vを「英莉花はパッティングさえ良くなれば、トッププレーヤーになれる。今回のこの緊張感の中で、いいプレーができたのもその証拠である。女子のゴルフもずいぶんとレベルアップしたものだ。おめでとう」と祝福した。その言葉通り、今季の原の平均パット数は30・32で69位だが、今大会に限れば27・25で3位。師の言葉は実に的確だった。

 出会いは原が15歳の時だ。知人の紹介で尾崎邸を訪ねた。1Wで240ヤード超を飛ばす豪快なスイングを見て、尾崎は入門を許可。「高校1年生であの飛距離、というのに特に驚いていた」と尾崎の長男・智春氏は振り返る。3人の賞金王を育てたが、原は初めて賞金女王の可能性を感じさせる弟子。今大会前には自らのシャフトを与えた。新兵器でアイアンの飛距離が伸びたことで、UTを1本抜いて3W投入が可能に。ツアー史上最長コースを攻略したクラブセッティングには、師のアシストがあった。

 妹弟子に当たる西郷真央の日本女子アマ優勝の際は「たいしたもの」、笹生優花のプロ初優勝時には「アメリカでトップになりたいと意識していたが、見えてきたのでは」と絶賛した。一方で、原のプロ初優勝時は違った。「ラッキーで勝つことはある。大事なのは2つ目」。さらなる奮起を促す厳しい言葉は、期待の大きさの裏返しだ。初めて師匠から褒め言葉を受け取った原は「ありがたいお言葉。ちょっと自信を持って、報告に行きたいな」とうれしそうだった。

【原英莉花(はら・えりか)】
☆生年月日 1999年(平11)2月15日生まれ、横浜市出身の21歳。
 ☆サイズ 1メートル73、58キロ。

 ☆ゴルフ歴 10歳から。2度目の挑戦だった18年7月のプロテストに合格(90期生)。
 ☆ジュニア時代 神奈川県ジュニアゴルフ選手権女子15~17歳の部は、15年が2位で16年が優勝。日本ジュニアは15年の30位が最高。
 ☆飛ばし屋 昨季のドライビングディスタンスは253.33ヤードでツアー全体で4位。

 ☆目標 1メートル85と原同様に高身長のミシェル・ウィー(米国)。
 ☆テレビCM 19年3月から日本通運と3年間の所属契約を締結。同年5月にテレビCMがスタート。今年6月からは第2弾「We Find the Way 原英莉花プロ・世界へ篇」が放映されている。

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