吉田優利、ミレニアム世代の意地 メジャー初制覇へ2差5位発進「早く優勝したい」

[ 2020年9月11日 05:30 ]

女子ゴルフツアー・日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯   第1日 ( 2020年9月10日    岡山県 JFE瀬戸内海GC=6640ヤード、パー72 )

5位タイで終了した吉田優利(代表撮影) 
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 “ミレニアム世代”吉田優利(20=エプソン)がプロツアー自己ベストに並ぶ68をマークしメジャーでのツアー初優勝へ首位とは2打差の4アンダー、5位と絶好のスタート。“新世紀世代”笹生優花(19=ICTSI)、“黄金世代”小祝さくら(22=ニトリ)も吉田と同じ5位からメジャー初制覇を狙う。青木瀬令奈(27=マツシマHD)、イ・ミニョン(28=韓国)が6アンダーで首位に立った。

 22歳以下の若手による激烈な世代間抗争。今季既に2勝を挙げている笹生の“新世紀世代”、先週、その笹生の3連勝を阻止した小祝の“黄金世代”。そして、今週、今季メジャー初戦の主役候補に“ミレニアム世代”吉田が名乗りを上げた。

 「グリーンのアンジュレーションが大きなコースなのでセカンドをどの位置に置くとか、得意のコースマネジメントを発揮できた一日でした」

 13番ではグリーンの傾斜を計算に入れ残り113ヤードの第2打をPWでピン手前1・5メートルの上りのラインにつけて狙い通りのバーディー。全18ホール、ファーストパットから逆算してゴルフを組み立てる同世代屈指のマネジメント力とそれを実践できる精度の高いショットで5バーディーを奪った。

 千葉・麗沢高3年だった18年に、00年の紫垣綾花、03年の宮里藍以来、史上3人目となる日本女子アマチュア、日本ジュニアの同一年制覇を達成。昨年5月のメジャー、ワールドレディースでは、アマチュアながら優勝した渋野と最終日最終組でラウンド。海外メジャー、全米女子オープン出場も果たした。

 これまでエリート街道を歩んできた吉田がプロ入り後も王道を進むために選んだ環境もまた秀逸。コーチは上田桃子、小祝らを指導する辻村明志氏。開幕前日には全英女子オープンから復帰した姉弟子・上田とラウンドし、リンクス攻略のヒントを学んだ。一方、スケジュールなどを管理するマネジメント会社は渋野と同じ。国内女子ツアーをけん引する先輩から多くのことを吸収してきた。

 「毎日、赤字(アンダーパー)で回るのが上位に行く前提。私も早く優勝したい」。昨年のワールドレディースで目の当たりにした渋野に続くメジャーでのツアー初優勝へ、どんな青写真を描くのか、楽しみだ。 

 ▼1位イ・ミニョン 調子は上がってきてる。(メジャータイトルは)欲しい。(8番でホールインワンを達成するなど66で首位発進)
 ▼5位菊地絵理香 ショットの感触が悪くてストレスだったけど(2週前の)ニトリあたりから何となく。今週もまだ結果とか考えずにやってます。(今季自己最高のスタート)

 ▽女子ゴルフ界の注目世代 ツアーを席巻しているのが98年度生まれの「黄金世代」。全英覇者の渋野日向子、日米通算8勝の畑岡奈紗、15歳で史上最年少Vの勝みなみらがおり、すでに同世代で9人が優勝を経験した。続く実力と目されているのが、00年度生まれの「ミレニアム世代」。アマチュア優勝した古江彩佳や安田祐香、吉田優利ら。今季2連勝の笹生優花によって注目度が急上昇しているのは、01年度生まれの「新世紀世代」。昨秋に現役女子高生でプロとなった世代で西郷真央、山下美夢有ら。また、黄金とミレニアムに挟まれた99年度生まれの稲見萌寧らは「谷間の世代」と呼ばれている。

 ◆吉田 優利(よしだ・ゆうり)2000年(平12)4月17日生まれ、千葉県市川市出身の20歳。日本ウェルネススポーツ大在学中。10歳からゴルフを始め、千葉・麗沢高3年時の18年に日本女子アマと日本ジュニアを制してアマ2冠を達成。昨年5月には海外メジャー、全米女子オープンに出場。昨年11月のプロテストに一発合格。QT20位。1メートル58、58キロ。

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