上田桃子、34歳の経験生きる メジャー“自己最高”6位フィニッシュ

[ 2020年8月25日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー AIG全英女子オープン最終日 ( 2020年8月23日    英国トルーン ロイヤルトルーンGC=6649ヤード、パー71 )

最終ラウンド、通算1オーバーでメジャー自己最高の6位に入った上田桃子(R&A提供)
Photo By ゲッティ=共同

 19位で出た上田桃子(34=フリー)が4バーディー、ボギーなしの67と伸ばし、通算1オーバーでメジャー自己最高の6位に入った。世界ランキング304位の伏兵、ソフィア・ポポフ(27=ドイツ)が首位から68と伸ばし、通算7アンダーの277で米ツアー初優勝をメジャーで飾った。ドイツ女子のメジャー制覇も初。70で回った野村敏京(27=フリー)は6オーバーで22位、畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)は14オーバーの64位だった。

 畑岡、渋野らが苦しんだ大会で、34歳がひときわ輝きを放った。経験を生かしたマネジメントと好調なショットで4つ伸ばして6位フィニッシュ。「正直、疲れた。やっと終わったという気持ち。タフな4日間でした」と上田は安堵(あんど)の表情をのぞかせた。

 強風や雨に見舞われた予選ラウンドは52位で通過。決勝ラウンドで風が落ち着くとショットがさえ、2日間でスコアを落としたのはダブルボギーの1ホールだけ。最終日はパーオンを逃したホールが1度と安定感が光った。2番で6メートルを沈めると4番まで3連続バーディー。郵便切手のようにグリーンが小さく見えることから「ポステージスタンプ」と呼ばれる名物ホールの8番パー3で伸ばし上位に顔を出すと後半はすべてパーでしのいだ。

 これまでは優勝争いとなると緊張してスイングバランスが悪くなることが多かった。メジャー独特の雰囲気の中、キャディーを務めた辻村明志コーチ(44)からは「難しいセッティングだからこそ置きにいかず、今後につながるショットをしてこい」と何度も背中を押され集中力を持続させた。キャリアハイ更新の公約を実現し「頑張ったご褒美として風のない中でプレーさせてもらえた。これが全英」と受け止めた。

 全米オープンなど米本土でのメジャー挑戦は13年以来途絶えているが、新たなチャレンジへの期待は膨らむ。「戦えるという自信を持ったときに行こうと思う。現役でやっている以上は一番上を目指すのがアスリートの使命」。豪雨災害に見舞われた熊本を勇気づけるために渡英を決断。10度目の全英で結果を残し「テレビを見ている人には思いを伝えられたかな。今日はコーチといいお酒を飲みたい」と充実感に浸っていた。

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