【服部道子の目】世界ランク304位のポポフの勝因は…背筋の強さと切れ

[ 2020年8月25日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー AIG全英女子オープン最終日 ( 2020年8月23日    英国トルーン ロイヤルトルーンGC=6649ヤード、パー71 )

最終ラウンド、3番でティーショットを放つソフィア・ポポフ(R&A提供)
Photo By ゲッティ=共同

 優勝したポポフ選手は大会前の世界ランクが304位でしたが、この難しいコースで最後まで冷静にプレーできていたように見えました。スイングはダウンからインパクトにかけてフェースが低く出るタイプ。ボールがフェースについている時間が長く、方向性は安定していました。3日目までは低い球を打っていましたが、最終日は風が穏やかだったため、ハイフィニッシュの高い球筋でアグレッシブに攻めていました。3日目のパーオン率は100%。最終日もバンカーに入れたのは1ホールだけ。好調なショットを支えた背筋の強さと切れは、最後まで変わることがありませんでした。これだけのパフォーマンスができる選手が、どうしてこの世界ランクに低迷していたのかと不思議な感じがしました。

 一時は病気で競技をやめようと思ったこともあったそうです。でも、体調が戻って以前と同じようにゴルフができるようになった。コロナ禍で試合間隔が空いて、自分と向き合う時間ができたことも精神的にプラスに働いたのでしょうね。

 日本勢では上田選手が最終日に67で回り、全英で自己最高の6位に入りました。豪雨被害に遭った地元の熊本を勇気づけたいという気持ちで臨んだ今大会。アンラッキーな場面もたくさんありましたが、忍耐強くプレーしていました。その一挙手一投足に故郷への思いが感じられる素晴らしい戦いぶりでした。 (東京五輪日本代表女子コーチ、WOWOW解説者)

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