高安、元大関対決で照ノ富士止めた!最後は右四つも「落ち着いて取れた」

[ 2020年7月24日 05:30 ]

大相撲7月場所5日目 ( 2020年7月23日    両国国技館 )

<大相撲7月場所5日目>照ノ富士(左)を寄り切り3勝目を挙げた高安(撮影・郡司 修)
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 大関経験者同士の対戦で、高安が全勝の照ノ富士に初黒星をつけた。得意の左四つではなく相手十分の右四つになったが、まわしを与えずに攻めて寄り切り。序盤を終えて再び白星を先行させた。この日も横綱、大関は安泰で、全勝は一人横綱の白鵬、新大関・朝乃山、新入幕の琴勝峰ら5人となった。

 幕内下位に大関経験者が4人もいる異例の場所。現役力士の「元大関」という肩書は、全盛期より力が落ちていると見られて致し方ないが、30歳の高安と28歳の照ノ富士の一番は見応え十分だった。

 「過去に何度も対戦している相手。今までの経験を生かして、いい相撲が取れた。自分の形になることだけを考えて、最後は右四つになったが落ち着いて取れた」

 高安は最初に左を差したが、振りほどかれて右四つになる。それでも先に左上手を取ると、相手の力が出る上手は与えない。懸命に腰を振って耐え、力ずくで寄り切った。

 平成となった1989年以降に生まれた力士で最初に大関になった照ノ富士と2番目の高安。ともに大関だったのは2場所あったが、対戦はなかった。同じ土俵に立つのは高安が大関昇進を決めた17年夏場所以来、3年2カ月ぶり。「自分よりはるかに落ちて戻ってきたお相撲さんですから。今日は精いっぱいいこうと思った」と特別な思いを土俵にぶつけた。

 大関だった昨年名古屋場所で左肘を負傷し、秋場所は全休。カド番だった九州場所はぎっくり腰で途中休場し、大関から陥落した。1場所での返り咲きに失敗すると春場所は左大腿二頭筋損傷などで途中休場。相次ぐケガに苦しめられたが、夏場所中止を経て反撃の態勢が整った。左四つでなくても相撲が取れるのは進化の証。八角理事長(元横綱・北勝海)は「ようやく思い切っていけたような感じがするよね」と高安の復調を感じ取っていた。まだ30歳。幕内下位の番付は似つかわしくない。

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2020年7月24日のニュース