藤田寛之のLet’s Begin【第4回 バックスイング編】
今回のテーマはバックスイングです。藤田寛之プロによれば、ショットが安定しないのは、常に同じ位置にクラブを上げていないことに原因があると言います。逆に考えると、トップ・オブ・スイングの位置が安定することで、ミート率がアップします。ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんがそのコツを教えてもらいました。進行役はティーチングプロのジミー常住氏。皆さんもショットの精度を上げるために自分のバックスイングを再確認してみましょう。
常住 今回はテークバックからバックスイングについて、クラブをどう上げていけばいいか教えてください。
田中 私はクラブを上げるときにどうしても腕に力が入ってしまうのが悩みなんです。
藤田 単純に腕でクラブを上げようとしているからでしょう。やはり、体を使って上げないと。
田中 体?クラブを持っている腕で上げてはいけないんですか?
藤田 基本的にクラブヘッドや手が先に上がってしまうと体が回らないので良くありません。それでは、バックスイングの手順を説明しましょう。まず、アドレスが0だとしたら、両手が右腰の高さにくるまでを1、そこからトップ・オブ・スイングまで上げるのが2になります。1では、左肩をスーッと回すことでクラブを上げていきます。このとき回しすぎに注意すること。左肩がアゴの下にくる手前で、両手は右腰の高さに上がります。この時点ではまだ腰を回す必要ありません。
田中 上半身だけを回す感じなんですね。
藤田 2では、腰を回しながらクラブを上に上げていきますが、ポイントは左手首の角度です。クラブと左腕が90度になるように、左手首を親指側に曲げていきましょう。このとき、自然な形で右足に体重が乗っているのが理想です。
田中 バックスイングでは、左肘を伸ばしたほうがいいんですか?
藤田 いいところに気がつきましたね。左肘は真っすぐでも曲がっていても構いません。自分にとって楽な方を選択しましょう。ちなみに、クラブと左腕が90度になるようにと言いましたが、それはあくまでも理想です。多少の誤差は気にしないように。ただし、左手親指の上にクラブが乗っている感覚は持っておきましょう。
常住 それでは実際に田中さんもトップ・オブ・スイングまでクラブを上げて下さい。
田中 左肩をスーッと回して、両手が腰の高さまできたら、(腰を回し)左手首を親指側に曲げながらクラブを上げる、と。
藤田 いい感じですね。あえて言えば、左肩が回り過ぎています。左手首のL字をつくったときに、アゴが左肩の下に入れば(それ以上回さなくて)いいと考えましょう。
常住 アベレージゴルファーに多い間違いはどこにありますか?
藤田 一つが、肩の捻転不足ですね。ボールに当てたい意識が強いせいか、肩が回らず、手だけでクラブを上げようとします。トップ・オブ・スイングの位置が高い人は要注意です。もう一つが、肩を回したいという意識が強いあまり、体の軸が右へ傾き、左サイドがどんどん伸びてしまうことです。やはり、体の軸を中心に回転したほうが、トップ・オブ・スイングの位置は安定するだけに、軸が傾かないように気をつけましょう。
<ミス日本ミススポーツ今週の一言>
「最初はクラブを手で上げていたので、少し重く感じましたが、藤田プロに教わったことで、体を使って上げるようになり、重く感じなくなりました」
(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)
◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。
◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。
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