田臥勇太 八村、渡辺に続く若手のNBA挑戦にエール「若手が出てくることは日本バスケにプラス」

[ 2020年6月6日 05:30 ]

Bリーグ宇都宮・田臥勇太インタビュー(下)

宇都宮で優勝を目指す田臥勇太(左)
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 Bリーグ宇都宮の田臥勇太(39)は10月開幕予定の20~21年シーズンを40歳の節目で迎える。日本人初のNBA選手であるパイオニアは、八村塁(22=ウィザーズ)ら若手が台頭する今後の日本バスケの飛躍に太鼓判を押し、1年延期となった東京五輪にも期待。コロナ禍で目標の大会が中止となった学生にも熱い言葉を贈った。 (木本 新也)

 田臥は04年にサンズと契約して日本人初のNBA選手となったパイオニア。現在はウィザーズの八村、グリズリーズの渡辺雄太(25)がNBAでプレーし、下部Gリーグ・レジェンズの馬場雄大(24)、レンジャー短大の富永啓生(19)らも世界最高峰の舞台を目指して米国で挑戦している。

 「八村選手、渡辺選手が日本人でもNBAで通用することを示してくれた。若い選手、子供たちにとって大きな夢、目標になる。若い選手にはどんどん挑戦してほしい。(昨季特別指定選手でBリーグデビューした)河村(勇輝=東海大)選手のような若手が出てくることは日本バスケにとって本当にプラス。今は日本が強くなるための良い材料が増えていると思います」

 東京五輪が1年延期になったが、男子日本代表にはプラス面もあると指摘する。

 「日本のバスケ界には伸び盛りの若くて良い選手がたくさんいる。メンバーが大会直前まで決まらないことを良い方向に捉えて皆で競争してほしい。強くなる期間が増えたと思って取り組んでほしいと思います」

 新型コロナウイルスの影響で高校総体が中止になるなど学生が目標とする大会が開催できない状況が続く。秋田・能代工時代に3年連続で総体、国体、選抜を制する「9冠」を達成して注目を集めた田臥は学生をおもんぱかり、エールを送った。

 「簡単には切り替えられないと思うが、少しずつでもいいから前を向いて、新しい目標を見つけて踏み出してほしい。頑張ってきたことはうそではないし、必ず将来につながる。部活動の練習が再開していなくても家の中でボールを持ってハンドリングを向上することはできる。僕も小さい頃は普段から家の階段をドリブルしながら上り下りしていた」

 Bリーグは6月末で大河正明チェアマン(62)が退任し、千葉で代表を務めた島田慎二氏(49)にバトンを託す。コロナ禍で厳しいかじ取りが予想されるが、田臥はバスケの力を信じている。

 「大河さんがこれまでリーグを支えてくださったことに感謝しています。島田さんのもとで、選手、スタッフ、ファンが一体になって、より一層、希望や期待を持てるリーグを一緒につくっていければいいと思う。大変な状況を乗り越えて新しいBリーグがスタートしていければ。個人的にはケガが続いているので、しっかりシーズンを通して戦うことが目標。チームとしては優勝を目指したい」 (終わり)

 ◆田臥 勇太(たぶせ・ゆうた)1980年(昭55)10月5日生まれ、横浜市出身の39歳。能代工(秋田)時代に総体、国体、選抜の3冠を史上初めて3年連続で達成。卒業後は米ブリガムヤング大ハワイ校に留学。02~03年にはスーパーリーグのトヨタ自動車で新人王。03年に渡米し、04年にNBAサンズと契約し、4試合に出場するなど日本人初のNBA選手となった。宇都宮ブレックス所属。1メートル73、76キロ。血液型A。

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