異例ずくめの無観客場所 白鵬戦2日目の懸賞はわずか1本 

[ 2020年3月8日 17:11 ]

大相撲春場所初日 ( 2020年3月8日    エディオンアリーナ )

大相撲春場所初日、無観客でも懸賞幕が登場した土俵上 (撮影・亀井 直樹) 
Photo By スポニチ

 なにもかも異例の場所が幕を開けた。

 会場のエディオンアリーナの正面入り口の扉は硬く閉じられ、相撲案内所(茶屋)の小屋も当然ながら一軒もなし。

 館内に入ると、土俵の周りに見えるのは審判の親方に呼び出しの姿だけ。幕内の取組からは呼び出しが懸賞幕を掲げ、土俵をぐるりと一周した。

 昨年の春場所は全体で2073本の懸賞がかかったが、無観客が決まってからキャンセルが相次ぎ、場所前には1000本前後まで激減。普段なら2桁も珍しくない白鵬の懸賞が、2日目の大栄翔戦は「タマホーム」のわずか1本だけとなっている。

 初日恒例の「理事長挨拶」も異例のスタイルとなった。土俵に上がった八角理事長(元横綱・北勝海)の後方に審判部の親方衆が控え、東西の観客席に幕内力士全員が並んだ。

 また、尾車事業部長(元大関・琴風)は生中継のNHK総合に出演し、無観客で開催に至った経緯を説明。その上で「(視聴者のみなさんに)自宅のテレビで相撲をぜひ見ていただいて元気になっていただきたい」と理解を求めた。

 八角理事長や尾車事業部長は普段は館内の役員室でテレビ観戦しているが、この日は2階席から取組を見守った。

 一方で協会は感染防止にも細心の注意を払っている。全力士に朝晩2回の検温を義務付け、不要不急の外出を禁止。37度5分以上の熱が2日間続いた場合は原則休場とする方針を打ち出している。ただ、診察の結果新型コロナウイルスの感染の疑いがないと診断を受けた場合は、診断書を提出すれば出場を認めるとしている。この日会場入りした力士は入り口に置かれた消毒液で手をぬぐった。

 また力士が所属する部屋から会場に移動する際は原則タクシーを利用するように指示。いつもなら公共交通機関を利用する幕下以下の力士が、この日はタクシーに相乗りして移動していた。

続きを表示

この記事のフォト

2020年3月8日のニュース