新型肺炎感染拡大受け「五輪中止」デマ拡散 海外報道に過剰反応…ツイッタートレンド入り

[ 2020年1月31日 05:30 ]

中国・武漢に残る邦人を帰国させるため、羽田空港を出発するチャーター機の第3便
Photo By 共同

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪・パラリンピックが中止になるとのデマが30日、拡散した。国内のツイッターでは一時、「東京オリンピック中止」というワードがトレンド入り。大会組織委員会は「中止は検討していない」と否定した。

 きっかけは29日の独DPA通信の報道。国際オリンピック委員会(IOC)が新型コロナウイルスについて世界保健機関(WHO)や専門家と連絡を取り合っており、「感染症対策は安全な大会を提供する東京2020の重要な要素」とのIOC関係者のコメント付きで報じた。これに過剰反応した日本の情報サイトが「東京オリンピック中止か 新型肺炎対策でIOCとWHOが協議」と臆測を交えた見出しで紹介。他の情報サイトにも転載され、「東京五輪が中止になる」と誤った情報が拡散された。SNSでは82~90年連載の漫画で88年には映画化された「AKIRA」で東京五輪中止が描かれていたことで、「30年以上前にAKIRAが予言していた」との投稿も目立った。

 新型コロナウイルスによる肺炎の死者が170人、感染者は8100人を超えた中国では、2月に武漢で予定されたボクシング東京五輪アジア・オセアニア予選が3月のヨルダンへ変更され、3月の北京での飛び込みワールドシリーズは中止など、国際大会が次々と中止、変更、延期へと追い込まれている。東京五輪予選や五輪出場枠に関わる大会も多く、偽情報の拡散につながったとみられる。

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2020年1月31日のニュース