平泳ぎ五輪代表譲らん!小関 ピーティ流トレで強化 一平、佐藤へ闘志「その上をいきたい」

[ 2020年1月31日 05:30 ]

雪の中のGMOアスリーツパーク湯の丸で高地トレを行なう小関
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 競泳男子で17年世界選手権200メートル平泳ぎ銀メダリストの小関也朱篤(やすひろ、27=ミキハウス)が30日、長野県東御市にある標高1750メートルの湯の丸高原で高地合宿を公開した。100メートル平泳ぎ世界記録保持者、アダム・ピーティ(英国)流のトレーニングで、代表選考会となる4月の日本選手権での100、200メートル両種目の五輪切符獲得を誓った。

 言葉に力が入った。26日までの北島康介杯200メートル平泳ぎで2分7秒58の好記録を出した18歳の佐藤翔馬の話題だ。前世界記録保持者の渡辺一平ら日本のお家芸は激戦。小関は新鋭の存在に「非常に頼もしいですよね」としつつ、「僕はさらにその上をいきたいし、一平にも勝つつもりでやっている。ベテランらしく積極的に、頭一つ抜けたい」と強調した。

 自身が日本記録を持つ100メートルは57秒台、200メートルは2分6秒台の自己記録更新を掲げる。目標達成に向けて昨年11月から取り入れたのが、腰のベルトに重りをつけて懸垂するピーティ流トレーニングだ。昨夏の世界選手権で本人から練習方法を聞き、「それっぽいことをやらないと同じ土俵に上がれない」と25~30キロの重りをつけて週3で広背筋を強化中。1ストロークでのパワーが増し「腕が疲れなくなったのと、楽に速くというのが形になってきた」と効果を実感する。

 こういった新たな取り組みこそ成長の証でもある。指導する藤森善弘コーチは「今まで教えてから動くパターンだったけど、自分から発案するようになった。10教えたら11、12を自分で考える」と目を細める。「五輪を狙うのは東京が最後」という小関が、これまで何度も口にした「覚悟」の表れの一つだ。

 昨年5月に第2子となる次女が誕生。2児の父は五輪への思いを強くした。「一番見てほしい人?娘です。上の子は今年の8月で3歳なので記憶には残るかなって。家族のためにも結果を形で残したい」。世界に挑む大きな背中を見せるためにも、国内のライバルに負けていられない。

 ▼競泳の東京五輪への道 代表内定は昨夏の世界選手権で優勝した瀬戸の200メートル、400メートル個人メドレーのみ。この2種目は残り1枠で、小関らが争う100メートル、200メートル平泳ぎを含む他の種目は4月の日本選手権で日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破して2位以内に入れば出場資格を得る。

 《国内初準高地プール》○…小関が練習を行う「GMOアスリーツパーク湯の丸」の施設は国内初準高地プール。首都圏から約200キロでアクセスは車でも鉄道でも3時間以内。8レーンの50メートルプールは水深2メートルで、日本水泳連盟の規格を満たしている。これまで競泳日本代表の高地合宿は海外中心だったが、2000メートル以上の高地と比べ内臓などへのダメージも少なく、食事も安全で体調を崩すリスクも軽減。東京五輪へ新たな高地合宿の聖地にと期待されている。 

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