しぶこ育てた名コーチ・青木翔のらくらく上達講座(4)

[ 2020年1月31日 12:00 ]

ショットの基礎づくりのドリル解説をする青木翔コーチ
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 渋野日向子のスイングコーチを務める青木翔氏の特別レッスン。第4回のテーマは、「アプローチの精度を上げると同時に、ショットの基礎づくりにもなるドリル」の実践です。具体的には、片手1本でクラブを持ち、ボールを打ちます。左右のどちらででも行いますが、ポイントは体を使ってスイングすること。10ヤード先、20ヤード先を狙って打てるようにしましょう。

 第1回で紹介した両足を閉じて行うドリルは実践されていますか?バックスイングでは右肘を畳んで左腕を伸ばし、ダウンスイングからフォロースルーにかけて左肘を畳んで右腕を伸ばして打つドリルです。これは、体の動きよりも、まずクラブと腕の動きを覚えてもらいたいのでお勧めしました。

 その流れで第2段階で「左手で杖をついて、右手でボールを打つドリル」そして第3段階で「歩きながらボールを打つドリル」を紹介しました。今回は次の段階となる正しい体の使い方を覚えるためのドリルです。

 ちなみに第1回は腕を意識してクラブをあげましたが、今回は腕に対する意識はありません。お腹を使ってクラブを上げたら、お腹を使ってクラブを下ろします。その結果、テークバックでは、クラブヘッドがボールと目標を結んだ飛球線に沿って10センチほど真っ直ぐ動いた後、インサイドに上がっていきます。逆に、その動きにならない人は、足を閉じたまま打つドリルを正しく行えていません。もう一度最初に戻って復習しましょう。

 それでは早速、今回のドリルについて詳しく説明します。基本的には、SWを使った片手打ちです。左右それぞれ10球を目安に10ヤードキャリーさせるつもりで打ちます。注意点は、アドレスしたときの手の位置です。正解は右手、左手関係なく、必ず左足太もも内側の正面にくるようにします。それよりも左側にセットするとハンドファースト過ぎるし、右にあるとハンドレート過ぎます。

 スタンスはあまり両足を広げず、ボールはスタンスの真ん中に置きます。左手1本でボールを打つときは、左の脇腹を正面に向けるつもりでバックスイングを行ないます。ダウンスイングではお腹を元の位置に戻し、フォロースルーにかけて今度は右の脇腹を正面に向けるつもりでお腹を押し込んでいきます。右手1本で打つときも、バックスイングでは左の脇腹、ダウンスイングでは右の脇腹を意識しましょう。

 スイング中に手を使う意識がなくても、クラブフェースが自然に開いて閉じる動きを行ないます。

 左手で10球打った後に、右手で10球打ってもいいですし、1球ずつ交互に打っても構いません。練習場に10ヤードの看板があれば、それを目標にして打つのもいいですね。10ヤードを打てるようになったら、20ヤードに挑戦してください。

 打球がすべて同じ高さ、同じスピード、同じキャリーになるまで練習すると、アプローチの精度が格段に上がります。その動きが大きいスイングの基礎作りにもなります。練習場に行けない人は、自宅で2メートルのパターマットを利用してもいいでしょう。左右それぞれ100球ずつカップに入れるつもりで打ちます。ただし、窓ガラスなどを割らないように注意してください。(取材協力=兵庫・樫山ゴルフランド)

 ◆青木 翔(あおき・しょう) 1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の36歳。福岡大卒。11年からジュニアの指導を行い、12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。ジュニアやプロ育成に注力し、18年から渋野日向子とコーチ契約を結ぶ。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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