春高バレー男子 東山、初優勝に導いた3年コンビの“あうんの呼吸”

[ 2020年1月13日 08:30 ]

チームを引っ張ってきた東山の3年生コンビの中島健斗(左)と高橋藍
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 1月5日~12日まで東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた第72回全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)は幕を閉じた。男子決勝は、6年ぶり12度目の出場となった東山(京都)と、10年連続12度目の駿台学園(東京)が対戦。バックアタックなど多彩な攻撃を展開する“高速バレー”で東山が3―0のストレート勝ちを収め、念願の初優勝を決めた。

 東山の躍進は、主将でエースアタッカーの高橋藍(らん)とセッターの中島健斗の3年生コンビの活躍なしには語れない。高橋は1メートル88の身長に加え、最高到達点3メートル43と高校生トップクラスの高さを誇る。強烈なスパイクで相手陣を切り裂く攻撃力はもちろん、中学時代はリベロも経験し守備力も折り紙付きだ。中島は全日本中学生大会の優勝経験があるエリートプレーヤー。3年生のレギュラーは2人だけだが、京都府予選では前回春高覇者の洛南を下し、6年ぶりに東京行きの切符を手に入れる原動力となった。

 2人がコンビを組んだのは、高校2年生から。「最初は全然合いませんでした。僕が完璧や!と思ったトスも藍がミスしてしまったり…」と中島は語る。息の合わないまま臨んだ練習試合では、高橋が相手ブロックに捕まると他の選手にボールを回した。高橋は当時を思い出し、「そのとき監督とコーチに、健斗が怒られたんです。もっと高橋を使えって。僕はそこで“自分が捕まっても、打ち切る”ことをやらなきゃいけないと感じた」と振り返る。練習や試合を重ねていくことで「健斗が接戦になってもだんだんボールを持ってきてくれるようになった」と一歩ずつ信頼関係を形成。互いに“エース”の重みを噛みしめてきた。

 決勝のラストワンプレーで、中島が運命を託したのは高橋。「最後はエースであり、キャプテンの藍に決めてほしかった。ブロックが何枚つこうが、決めきってほしかった」。思いを乗せたトスを受け取った高橋は「最後の1本を打ち切るのは、エースの仕事であり責任。健斗があそこで自分のところに持ってくるのは分かっていた」とボールに飛びついた。3枚ブロックの高い壁をぶち破り、念願の日本一。2人の頬を、涙が伝った。

 2年間ともに戦い抜いてきた戦友同士、思う部分は多い。「どんなトスも打ち切ってくれるエースがいる」と中島が語れば、高橋は「健斗のトス1つで、自分は生かされている。健斗が同じ学年でいてくれて良かった」と感謝を述べた。

 今年2人は卒業し、それぞれの道を歩む。大エースと技巧派セッターが抜けることの穴は大きいが、高橋は「自分たちの代よりも上に行って、東山の強さを進化させてほしい」と後輩にバトンを渡した。来年の春高バレーでは、新しい東山を取材するのを楽しみにしている。(記者コラム・小田切 葉月)

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