鈴木愛 日本人初の3週連続優勝! 最終18番劇的バーディーで逆転、今季7勝目 賞金ランクも首位浮上

[ 2019年11月18日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 伊藤園レディース最終日 ( 2019年11月17日    千葉県 グレートアイランドC=6741ヤード、パー72 )

18番、優勝を決定づけるバーディーを沈め、笑顔でガッツポーズする鈴木愛(撮影・沢田 明徳)
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 2年ぶりの賞金女王を目指す鈴木愛(25=セールスフォース)が史上2人目の3週連続優勝を飾った。1打差の3位で出て最終18番で劇的なバーディーパットを決め67の通算14アンダーで回り今季7勝目、通算16勝目を挙げた。今季の獲得賞金額も1億4422万5665円となり賞金ランクでトップに立ち、2年ぶりの女王奪還に前進。賞金女王を争う申(シン)ジエ(31=韓国)は通算10アンダーの8位だった。

 劇的なフィナーレだった。既にホールアウトしていた大山と通算13アンダーで並んで迎えた最終18番グリーン。4メートルのバーディーパットをカップにねじ込んだ鈴木は、右手で小刻みにガッツポーズを繰り返した。「優勝は狙っていたんですけど、本当にできると思っていなかったのでビックリしています。まだ実感はないです」と笑顔を輝かせた。

 苦しい試合だった。1番で1メートルを沈めバーディー発進したが、バーディーが欲しい5番パー5で3Wの第2打を左の池に入れる痛恨のミス。「何やってんだよ」と自分を責める一方「もうどうにでもなれ」と無欲で打った残り83ヤードの4打目を50センチに寄せ、ピンチを切り抜けた。17番では同伴競技者の勝がエース。そのショットを見て「あんなショット、私には打てない」と一瞬、心がざわめいた。しかし、すぐに「みなみちゃんの運をもらおう」と勝の体に笑顔でタッチして気持ちを切り替えた。そして、左サイドに池が広がる18番の第2打を4Uで危険なピンの左側に乗せて、見事なウイニングパットにつなげた。

 07年の全美貞(ジョンミジョン)に並ぶ日本人初の3週連続Vを鮮やかな逆転劇で飾った。だが、実は2カ月ほど前から体調に不安を抱えていた。10月の日本女子オープンの頃に腹痛が2週間ほど続き、病院で検査を受けた。「病名は言えないですけど、手術をしないと治らないと言われました。体調が悪くなると、救急車で運ばれるようなこともあるかもしれないと言われました。今は食事に気をつけながら悪くならないように注意しています」。医師からは肉類やタンパク質の摂取を控えるように指示され「スポーツ選手としてはストレスがたまります」と表情を曇らせる。大会期間中は毎晩、うどんしか口にせず、体重も2キロほど減ったと明かした。

 それでも、この優勝で賞金1800万円を上積みし、賞金ランクは6月のニチレイ・レディース以来の首位に立った。1カ月の休養から復帰したマスターズGCレディースの時には申ジエとの差が約3817万円もあったが、わずか3週で逆転。逆に約774万円の差をつけた。「残り2試合、相手は申ジエさんなので油断しないでやりたいです」。2年ぶり2度目の戴冠へ“本命候補”がついに主役に躍り出た。 

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