フィギュア織田さんが涙の会見 宮原ら育成の女性コーチをモラハラで提訴

[ 2019年11月18日 16:44 ]

涙を浮かべながら会見をしたプロスケーターの織田信成氏
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 10年バンクーバー五輪フィギュアスケート男子代表で、プロスケーターの織田信成さん(32)が18日、モラルハラスメント(言葉や態度での嫌がらせや精神的虐待)を受けて関大アイススケート部の監督を辞任に追い込まれて精神的苦痛を受けたとして、同部の浜田美栄コーチ(60)に1100万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴をした。

 この日、大阪市内で会見した織田さんは涙を浮かべ、ハンカチでぬぐう場面もあった。関大に対して、同大学のハラスメントガイドラインに基づくハラスメントの調査と自身の救済措置の申し立てをしたことも明らかにした。

 訴状などによると、織田さんは監督就任直前の17年2月頃、定められたルール以外の練習をしていた浜田コーチに注意をしたところ、激高され、その後から無視されるなどのハラスメント行為が始まった。4月の就任後は「監督になってから偉そうになった」などの陰口を叩かれるようになった。

 今年2月から3月にかけてモラハラがエスカレートし、食欲減退、動悸(どうき)、目まい、吐き気などを強く感じるようになり、3月には「39度ぐらいの発熱」で1週間入院した。「原因が分からないと言われたので、ストレスかなというのはあった」と振り返った。精神的苦痛が和らぐことはなく、5月下旬からスケートリンクに行くことができなくなった。

 7月に関大側にハラスメント調査を依頼したものの、2カ月経っても報告が届かず、大学の対応に不誠実さを感じて辞任に至ったとした。10月に弁護士が関大側と話をした際に、ハラスメントの調査をしてなかった報告を受けた。

 「7月1日に学長から、“この件を表にするなら、僕と浜田コーチの両方にやめてもらう”と話してもらった。しかし、事実と違う(辞任の)理由を述べられ、関大にこの件に関して明らかにする意思がないと判断して提訴しました」と説明した。

 具体的なモラハラの内容については明言を避け、「浜田コーチにはなぜあのようなことをされたのか、裁判で明らかにしていきたい」と語った。

 9月に関大が織田さんの退任を発表した際、「多忙」が理由とした。しかし、その後、織田さんがブログで「リンク内で私に対して嫌がらせやモラハラ行為があった」と反論していた。

 浜田コーチは、平昌五輪女子4位の宮原知子、昨季のGPファイナル女王の紀平梨花を指導している。

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