荒磯親方、九州場所を展望 注目の力士は御嶽海と貴景勝だ!

[ 2019年11月10日 05:30 ]

大相撲九州場所 10日初日 ( 福岡国際センター )

大関昇進へ目安の12勝を目指す御嶽海
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 大相撲九州場所は10日、福岡国際センターで初日を迎える。秋場所で2度目の優勝を飾った関脇・御嶽海(26=出羽海部屋)は今場所12勝で大関昇進の目安と言われる3場所合計33勝に到達する。大関に返り咲いた貴景勝(23=千賀ノ浦部屋)は左大胸筋のケガを負いながら、出場にこぎ着けた。他にも若手力士が台頭する中、本紙評論家の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が注目力士について語った。

 成績次第で大関昇進の可能性がある御嶽海は、急に強くなったわけではありません。何より、安定感はピカイチです。17場所連続で三役を務めているということは評価されるべきですが、私はもっともっと力のある力士と見ています。(体を寄せる)密着感もそうですし、対戦相手の嫌なところを突いてきます。相手に力を出させずに自分の力を出すというのは天性のものがあります。それは大関、横綱の相撲です。そういう意味でも期待しています。

 12勝で大関昇進の目安と言われている33勝になりますが、私は32勝で上がったように、数字はあってないようなものです。求められるのは相撲内容。白鵬、鶴竜らが万全で出てくる中、力を出し切って自分の相撲を取り切ることが一番大事になります。

 大関に返り咲いた貴景勝は、1日の二所ノ関一門連合稽古で相撲を見ました。10番取って8勝2敗でしたが、2敗は阿武咲、輝との最初の相撲で落としていました。私も経験がありますが、稽古場では最初は試して、行けると思って2番目から力が出ました。ただ本場所の相撲は一番なので、最初から力が出ないといけません。

 私はそれを引きずってしまい、ケガをしたあとは初日に負けることが多くなってしまいました。貴景勝は頭のいい力士なので自分でも分かっているでしょうが、少し気になりました。体を見る限りは、痛めた左胸の陥没もないし、ケガは感じられませんでした。大関である以上、出るからには2桁はいってほしいと思っています。

 新小結の朝乃山は力をつけてきました。しっかりとした右四つの形を持っているだけに、徹底的に追求していってもらいたい。“朝乃山と言えば左上手”と認識されるようになれば、大関が近づいてくるはずです。

 稽古を積んできている力士は、先場所とは予想がつかない相撲を取ることがあります。明生、大栄翔は稽古で上がってきた力士。1場所ごとに変わってきているだけに、上位陣にとっては嫌な存在になるでしょう。(本紙評論家、元横綱・稀勢の里)


 《御嶽海、大関昇進へ「10勝は絶対」》 先場所の優勝で成績次第で大関昇進の可能性がある御嶽海は土俵祭りの後、「10勝は絶対。それは絶対に崩さない」と強い口調で意欲を語った。今場所12勝すれば大関昇進の目安となる直近3場所合計33勝に届くが、先々場所の名古屋場所が9勝だった。次へつなぐためにも2桁を最低ラインに定め、「気負いはない。いつも通り、自分の相撲を取るだけ。そうすれば問題ない」と自信を漂わせた。

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