“気遣いの人”リーチが描くキャプテン像「勝つためには…最強でないと」

[ 2019年10月14日 16:20 ]

会見を終えて軽く手を振って引き揚げる日本代表のリーチ主将(撮影・篠原岳夫)
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 11日、最後の登壇者として約10分間の会見を終えると、退席の際、再びマイクを手に取り「みなさん、台風、気をつけて下さい」と気遣った。12日、東京都内で土砂降りの雨の中、前日練習を終えると、見送る報道陣に向けてスマホを取り出しパシャリ。撮ることには慣れていても、撮られることに慣れていないこちらは、それだけで何となく、なごむ。

 スコットランド戦、拍子木と和太鼓の演奏とともに先頭で入場すると、15メートルラインに整列後、右手をエスコートキッズの少年の肩に置き、何やら話しかけた。一夜明け会見で明らかになったのは、「緊張している?と聞いたら、“緊張している”と」。そして、「“スコットランドをボコって下さい”と言われました」。キックオフが間近に迫る中でも、やはりリーチは気遣いの男だった。

 ハーフタイムには、前半終了間際のWTB福岡のトライで、バックスタンド側のサイドライン付近からの難しいコンバージョンを決めたSO田村をねぎらいに行った。試合後会見を終えた後は、渡されていたペットボトルの水を飲みきり、廊下にあったゴミ箱を見つけ、自分で捨ててからロッカールームへと戻った。

 リーチをつぶさに観察していると、さまざまな場面で人柄がにじみ出ていて、面白い。そして、日本代表のキャプテンだから、1分1秒、キャプテンらしく振る舞っているのではなく、心根からラグビーを愛し、強くなりたいと願い、子供たちの未来を思い、地球環境にも気遣っているからこそ、キャプテンを任されているのだと感じる。

 まだ個人のパフォーマンスには、満足していないに違いない。開幕ロシア戦で不調が明らかになり、アイルランド戦は先発を外れた。そして前半の早い時間帯で投入され、魂のこもったプレー。サモア戦は先発復帰も、ゲーム主将はラブスカフニが務めた。スコットランド戦は3戦ぶりにゲーム主将にも戻ったが、後半32分にはベンチに下がった。

 「僕の中では、勝つためにはキャプテンが最強でないと勝てない」。11日の会見で語った言葉は、自分自身に掛けたプレッシャーだと感じた。この先の戦いは、日本にとって未体験ゾーン。水先案内人はいない。だからこそ、キャプテンが迷いなく進まなければならない。苦悩しながらも、コーチングスタッフやチームメートに助けられ、ここまでチームをリードしてきたリーチ。準々決勝、南アフリカ戦は、キャプテンの力が試される。そんな気がしてならない。(阿部 令)

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