20日開幕ラグビーW杯 “持っている男”姫野、4年分の思い込めいざ出陣!

[ 2019年9月19日 05:30 ]

ラグビーW杯2019 1次リーグA組   日本ーロシア ( 2019年9月20日    味スタ )

笑顔で練習する姫野(撮影・吉田 剛)
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 ラグビー日本代表は18日、都内でW杯開幕戦となる20日のロシア戦の登録メンバー発表会見を開き、8月の網走合宿で左足首を痛めたNo・8姫野和樹(25=トヨタ自動車)の先発が決まった。17年11月のテストマッチデビュー戦や、25歳の誕生日だった今年7月のフィジー戦でトライを挙げている「持っている男」。帝京大時代から幾多のケガを乗り越えてきたジョセフジャパンの象徴が記念すべき舞台に立つ。

 晴れの先発メンバーに選ばれて臨んだ会見。笑わない男として定着したプロップ稲垣の隣で、姫野は満面の笑みを浮かべ、よどみなく思いの丈を語った。

 「率直に光栄だし、うれしく思う。自国開催で多くのファンの期待があり、かなりプレッシャーがかかる状態だが、プレッシャーを楽しみ、ワクワクしている状態です」

 日本人=小さくて弱い、という意識を真っ向否定し、「日本人でもできる。フィジカルでも通用する」ことを証明してきた。一方で故障にも苦しんだ。13年7月には帝京大1年で代表合宿に招集されながら、初日に左足の中足骨を骨折。7人のOBを今回の代表に送り出した岩出雅之監督が「一番持っているものが凄くて、一番生かせていなかったのが姫野」というほど才能と身体能力にあふれていながら、ケガが出世を遅らせた。

 4年前もW杯メンバー入りしていた可能性のある大器をどう育てるか、に関係者は心血を注いできた。岩出監督はケガが誘発されやすい本来のFW第3列でなく、比較的シンプルな動きが多いロックで起用。17年にトヨタ自動車入りする際も、07年W杯で南アフリカを優勝に導いたジェイク・ホワイト監督に「無理をさせないで」と一言添えて引き継いだ。

 トップリーグで入団1年目から主将に抜てきされた姫野自身も、内面から成長し、1年目の17年秋に念願の代表デビューを果たした。本人も「(4年で)心技体、成長できた自信がある。その自信を持ってW杯で戦う」としっかりと胸を張った。

 初のテストマッチだった17年11月のオーストラリア戦では終了間際にトライ。持ち味のボールキャリーは磨きがかかり、「(トライの)イメージは常に持っている。毎日寝る前にイメージしている」という。歴史に残る開幕戦トライを正夢にして、目指すべき高みへと上っていく。

 ◆姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の25歳。中学からラグビーを始め、春日丘(現中部大春日丘)で花園を経験。帝京大を経て17年4月にトヨタ自動車入りし、1年目から主将を務める。同年11月のオーストラリア戦で初キャップを獲得し、通算12キャップ。1メートル87、108キロ。ポジションはフランカー/No・8。

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