【菊谷崇 キャプテン目線】守りで試合つくった日本 強力なタックル目立つ

[ 2019年8月11日 08:46 ]

ラグビー パシフィックネーションズ杯最終戦   日本34-20米国 ( 2019年8月10日    フィジー・スバ )

激しいタックルを見せるヴァル(上)(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 日本の守り勝ちだ。米国に簡単にゲインをさせず、「手詰まりのキック」という状況に何度も追い込んだ。後退しながらのキックは、精度を欠くことが多い。米国はダイレクトタッチ(蹴った地点から相手ボールのラインアウト)のミスが多く、日本が楽に獲得できるような深いキックも目立った。手の内が読めたため、SH田中や流、フランカーのリーチは前もって下がっていた。蹴られた後の準備ができ、スムーズな反撃ができた。

 W杯初戦で当たる「仮想ロシア」と言うべき、当たりが強い米国を後退させた要因はタックルだろう。2人で相手を持ち上げるような「ダブルタックル」でボールの自由を奪い、素早い球出しをさせなかった。15年W杯では、低いタックルで「まず倒す」スタイルだったが、今は腰上に当たって簡単に寝かせないのが特徴だ。これで次の攻撃を遅らせた。

 前半だけでハンドリングミスが7回、反則が6回もあったのは反省点。ただ、攻撃がチグハグになる場面はW杯本番でも必ずある。守りで試合をつくることができることを、世界に示した意味は大きい。 (11年W杯日本代表主将、19年W杯アンバサダー)

続きを表示

2019年8月11日のニュース