OWS東京五輪テスト大会 高水温と悪臭で選手たちから悲鳴 課題浮き彫りに

[ 2019年8月11日 11:25 ]

 20年東京五輪・パラリンピック組織委員会主催の水泳オープンウオーター(OWS)のテスト大会が11日、東京・お台場海浜公園で開催された。男子は午前10時開始予定だったが、猛暑の影響で同7時に前倒し。同7時スタート予定だった女子は同7時2分に変更された。本番の半分の距離となる5キロのコースで実施。男子22人、女子12人が出場したが、多くの選手から高水温と悪臭の“二重苦”に対する悲鳴が上がった。

 ある男子選手は「正直、臭いです。トイレみたいな臭いがする」と顔をしかめた。本番会場でもあるお台場は、大会組織委員会と都が17年7月~9月に行った水質調査で国際競技団体が定める基準値の最大21倍の大腸菌が検出されるなど水質の改善が大きな課題。コースには大腸菌の流入を遮るための水中スクリーンが張られ、既に基準値を下回る測定結果を得ている。今回は一重のスクリーンが、本番三重になる予定。ある女性選手は「水質は年々、改善されていると聞いているので、期待するしかない」と語った。

 この日の水温は午前5時の時点で29・9度。国際水連は競技実施の条件として会場の水温を16度以上31度以下と定めている。試合前4日間の測定で午後は31度近くに達したが、午前7時時点では4日連続で30度以下だった。7月の世界選手権に出場した野中大暉(22=木下グループ)は「レース中の水分補給には気をつけないといけない。これも含めてOWSなので、しっかり対策をしたい」と前を向いた。

 来年の東京五輪では女子が8月5日、男子が8月6日でともに午前7時開始予定。国際水連のコーネル・マルクス事務総長は「水質、水温の問題はリオデジャネイロ五輪でもあった。組織委員会と一緒になって解決していきたい。本番のスタート時間を何時にするかは今後、変わる可能性がある。(午前)5時か5時半か6時か6時半に変わるかもしれない。選手の健康のために何がベストなのかを考えた上で決断したい」とスタートの前倒しに含みをもたせた。

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2019年8月11日のニュース