松島だ福岡だ 日本 5トライ圧倒!トンガ撃破 W杯1次突破いける

[ 2019年8月4日 05:30 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップパシフィックネーションズ2019日本ラウンド第2戦   日本41―7トンガ ( 2019年8月3日    花園ラグビー場 )

<日本・トンガ>後半、トライを決める福岡=中央(撮影・吉田剛)
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 世界ランキング11位の日本は同14位のトンガを41―7で下し、2連勝で勝ち点10とし首位に立った。試合が膠着(こうちゃく)していた後半残り10分から、WTB松島幸太朗(26=サントリー)と途中出場のWTB福岡堅樹(26=パナソニック)がトライを奪って勝負あり。2010年度に花園で輝きを放った同世代コンビが再び西の聖地で決定力を見せ、母を亡くしてニュージーランドに緊急帰国したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)不在の不安を払しょくした。

 花園育ちが帰ってきた。9年前の冬、才能の片りんを見せつけた2人が、ともに大きく成長して凱旋した。まずは桐蔭学園(神奈川)を両校優勝に導いた松島。後半32分、防御ラインの裏にスペースを見つけ、SO田村に伝達。グラバーキックをドンピシャで捕球した瞬間に笑みを浮かべると、インゴールへ気持ちよく飛び込んだ。

 「しっかり意思疎通できた結果。バウンドを予測して運よく(懐に)入った」と言うが、内側に切れ込みながらの捕球で対面をかわす技ありのランコース。9年前は100メートルをぶち抜くトライでインパクトを残したが、身体能力だけではなく、プレーヤーとしての熟達ぶりを見せつけた。

 福岡高出身の福岡はテストマッチでは16年11月のジョージア戦以来のリザーブ待機だったが、わずか10分の出場時間でインパクトを残した。終了間際、ゴールまで25メートルの位置でパスを受けると、対面の立ち位置と姿勢を見て外勝負を選択。わずかな隙を突いて1人目をハンドオフでかわすと2人目はステップで外を抜いてダメ押しトライ。「ボールを持った瞬間はスペースが狭いかと思ったが、相手の上体が浮いていたので、うまくハンドオフを使えば、と思った」。瞬時の好判断でスコアに結び付け、「(リザーブは)より1プレーの重要性が増す。自分らしく勝負できた」とうなずいた。

 9年前、花園を戦い終えた松島は国内の大学進学を見送り、生まれ故郷でもある南アフリカでプロ選手の第一歩を踏み出した。一方、医学部進学を目指していた福岡は、現役での受験に失敗。1年の浪人期間を経たがラグビーの道を諦め切れず、筑波大で再び楕円(だえん)球を追い掛け始めた。軌跡の異なる2人が、花園でトライの競演をする奇跡。トニー・ブラウンHC代行も「素晴らしいトライだった」と称賛した。

 ともに4年前もW杯に出場したが、結果には決して満足していない。2人そろっての2戦連続トライで、2大会連続の代表入りはほぼ手中に。あとは本番でも輝くだけ。“花の92年世代”が、花園から世界へと旅立った。

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