未来のサーフィン女王だ 16歳脇田紗良トップ通過!名サーファー父・貴之氏のDNA覚醒

[ 2019年5月7日 05:30 ]

サーフィン ジャパン・オープン第1日 ( 2019年5月6日    千葉 宮町・釣ケ崎海岸 )

1回戦第4組を1位通過し3回戦進出を決めた脇田紗良(撮影・会津 智海)
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 ワールドゲームズ(世界選手権に相当、9月・宮崎市)の選考会を兼ねて行われ、女子1回戦4組で脇田紗良(16)が1位となり、7日の3回戦にジャンプアップ通過した。父・貴之氏(47)は本場ハワイでも「ワキタ・ピーク」と名付けられた場所があるほどの名サーファー。今季は世界最高峰のチャンピオンシップツアーの予選シリーズ(QS)で日本女子最高の6位に付ける16歳が、来年に迫った東京五輪出場に名乗りを上げた。

 レジェンド2世が五輪本番も行われる海でDNAの覚醒を予感させた。干潮時刻に近く、決して好条件とは言えない波でも女子1回戦では最高の合計得点を叩き出して突破。「波数が少なくパワーもなかったので、スピードとメリハリを付けられるかを考えた」と16歳とは思えぬしっかりとした受け答えで応じた。

 ベストスコアは6・50点と決して高くはなかったが、ターン一発だけで出しただけに価値は高い。「狙っていたのは(ターン)2発以上入る波だった」というが、ボトム(最下部)で折り返し、波の上下幅いっぱい板を走らせるライディングで得点を引き出した。

 4歳で父の活動拠点だったハワイでサーフィンを開始。だが「父はビッグウエーブサーファー。小さい子の波の基準が分かっていなかった」と初心者には不相応な大きな波に恐怖心を抱いて一度はやめた。再開したのは7歳の時。「学校でライバルみたいな」友達が始めたことを知り、負けじと再び海に出た。小2からはハワイに完全移住し、聖地ノースショアで腕を磨いた。

 目標とするのは「クイーン」と称されるステファニー・ギルモア(オーストラリア)。7度のCT女王に輝いている現役レジェンドは、生きた教科書でもある。ノースショアでは同じタイミングで練習する機会があり「(生で)見るだけでもメリットがあった」。五輪出場もさることながら、昇格圏内のQS6位に付けるCT参戦が最大のターゲットだ。

 「まだ自信はあまり付いていない。もっと縦の動きも入れたい」と話すだけに、伸びしろも天井知らず。飛ぶ鳥を落とす勢いで2020まで突き進む。(阿部 令)

 ▽競技方法 今大会は1~3回戦は4人1組、準々決勝以降は2人1組で行われ、制限時間内(20分)のライディングのベスト2の合計点数(20点満点)を競う。ライディング回数に制限はないが、同一の波には優先順の高い1人だけが乗ることができる。今大会優勝者はワールドゲームズ(WG)に出場でき、WGで各大陸1位(日本はアジア枠)になった選手は、他の選考項目の結果次第で東京五輪の出場権を得ることができる。

 ▽サーフィンの東京五輪代表選考方法 出場枠は男女とも各20人で、1カ国あたり最大各2人。男子の場合は、まず今年のチャンピオンシップツアーCT上位10人が出場資格を獲得。残る10枠は(1)20年のワールドゲームズ(WG)上位4人(2)19年のWGの米国を除く4大陸の最上位者(3)19年のパンアメリカン大会優勝者(4)ホスト国枠1人。同一国の選手が各選考基準をクリアした場合のみ、3人が選ばれる例外がある。ワールドサーフリーグ(WSL)主催の世界最高峰がCTで、その下部に昇格を争う予選シリーズ(QS)がある。現在、日本人でCTに参戦するのは男子の五十嵐カノアのみ。

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2019年5月7日のニュース