稲葉3位、大原5位 五輪サーフィン会場、地元千葉で健闘

[ 2019年5月5日 05:30 ]

サーフィン 一宮千葉オープン(男子QS6000、女子QS1000) ( 2019年5月4日    千葉県一宮町・釣ケ崎海岸 )

サーフィン一宮千葉OP男子準決勝 ターンで水しぶきを上げる稲葉。3位となった
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 男子は準々決勝以降が行われ、地元出身の稲葉玲王(22)が3位に入った。創設4年目の同大会で日本人男子初優勝は逃したが唯一、準決勝進出と健闘した。この結果、世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)の予選シリーズ(QS)年間ランキングで、10位から5位に浮上することが確定した。同じく地元出身の大原洋人(22)は5位。また女子は都筑有夢路(18)が初優勝した。

 ホームブレーク(使い慣れたビーチ)で稲葉が雄姿を見せた。準決勝で惜敗し「絶対に優勝するつもりだった。本当に悔しい」と唇をかんだが、QSで2番目に格が高い今大会で実力を証明。ランキングもついに1桁台に上昇した。

 準々決勝は終了間際に7・17点のハイスコアを出し逆転。再び追う展開となった準決勝は、残り5分で3発のターンを決めて両拳を握ったが、得点は伸びなかった。かつて何度も表彰台に立った強敵に競り負け「このレベルになるとどんな波でも対応してくる」と悔しがった。

 昨年の年間ランク71位。飛躍の土台となっているのが、約3年前から本格的に取り組むトレーニングだ。海外勢に負けない強じんな肉体を手に入れたが、さらに稲葉は「体重は10キロくらい、調整できる」という。今大会は65キロで臨んだが、ハワイや米大陸の大会では70キロ以上に。波のサイズに合わせて体も戦術も自在にコントロールし、躍進を遂げた。

 一方、15年にQS10000の全米オープンで優勝した実績がある大原は準々決勝で涙をのんだ。終盤は十分なサイズの波に恵まれず「ここだという場所で待ち続けていたので、何とも言えない」と無念の表情だった。6、7日には20年東京五輪も行われる同会場で、五輪出場につながるワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当、9月、宮崎)の切符を懸けたジャパンオープンが行われる。2枠を16人で争う決戦に向け、稲葉は「勝たないと意味がない」と口元を引き締めた。

 ▽ワールドサーフリーグ(WSL)の大会システム 男子はレギュラーメンバー32人のCTが最高峰で、その下にCTへの昇格を争うQSがある。QSは10000、6000、3000、1500、1000と5段階に格付けされており、各選手が獲得ポイントの高い上位5大会分の合計ポイントで年間総合順位を争う。QS総合順位で上位10人に入れば、翌年にCT昇格となる。

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