琴奨菊、「内野安打」で5連勝 “フルスイング”捨てコツコツ首位打者

[ 2019年3月15日 05:30 ]

大相撲春場所 5日目   〇琴奨菊―勢● ( 2019年3月14日    エディオンアリーナ大阪 )

勢(右)を送り出しで破りを破った琴奨菊(撮影・北條 貴史)
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 平幕・琴奨菊が勢を送り出しで下し、初優勝した16年初場所以来となる初日からの5連勝となった。これまでとは一味違う「うまさ」で、会場を沸かせた。大関獲りが懸かる貴景勝は、玉鷲との関脇対決に敗れ2敗目。横綱、大関陣は2日続けて安泰。横綱・白鵬、大関・豪栄道、平幕・逸ノ城が無敗を守った。

 35歳の新境地だ。琴奨菊が、初めて賜杯を抱いた16年初場所以来となる無傷の5連勝。いい意味で期待を裏切った。代名詞の「がぶり寄り」を軸にした正面からの圧力は封印。逆に相手の圧力を最大限に利用した。

 「自分の欲を消している。1番、2番できたとしても、そこじゃない相撲があると思う。内野安打。足が速い、みたいな」

 右差し得意の勢が相手。左を差して寄る琴奨菊とはケンカ四つだ。差し手争いが勝敗を分けるかと思いきや、琴奨菊は左をおっつける作戦。思わず動きを止めた相手を、軽くいなして泳がせた。あとは背中をポンと一押しするだけだった。

 優勝から3年以上が過ぎた。当然、肉体には変化がある。「力とスピード。勘違いしたら、えらいことになる」。かつては間違いなく角界の“スラッガー”。その長打力で大関にも昇進し、勝っても負けてもフルスイングにこだわってきた。

 しかし、17年春場所で関脇に転落してから2年。変化を受け入れる心境になった。クリーンヒットも内野安打も1安打。「ある意味で相撲人生最後だから。苦しまないで、楽しんで」。フルスイングの呪縛から解き放たれた。

 同じ02年初土俵で、幕内史上最多の67回も対戦したライバル、元横綱・稀勢の里(現荒磯親方)の姿は、もう土俵にない。学年では荒磯親方より3つ上の琴奨菊。残された現役の時間は限られている。視線の先には無欲の白星街道が伸びている。

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