申ジエさすが!今季日本ツアー2勝目 POで豊富な経験生かす

[ 2018年9月3日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ゴルフ5レディース最終日 ( 2018年9月2日    岐阜県・ゴルフ5CみずなみC=6545ヤード、パー72 )

<ゴルフ5レディス最終日>優勝カップを掲げる申ジエ(撮影・井垣 忠夫)
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 打ち降ろしの18番パー4(371ヤード)で行われた申と小祝のプレーオフ。2人が1ホール目をパーで分け合った直後に雷雲接近を告げるサイレンが鳴り響いた。そこから1時間34分の中断。今大会の競技運営を担当した日本女子プロゴルフ協会の松尾恵理事(59)が40年に及ぶプロ生活の中で記憶にないという突然の水入りだった。しかし、日本プロゴルフ界では過去に例のない未体験の出来事も世界を舞台に活躍しその頂点を極めた申だけは別だった。12年5月に行われた米ツアーのキングスミル選手権。ポーラ・クリーマー(米国)との対戦となったプレーオフは一時中断どころか日没のため日をまたいで実施された。そして、勝利したのは申。勢いで勝る小祝を制する高い経験値が申にはあった。

 「一番大事なのは集中力を失わないこと。私の場合、人がいない静かな場所にこもります」体を冷やさないようトレーナーとストレッチを行い、それ以外の時間は独りロッカールームでじっと集中力を高めた。プレー再開のアナウンスが待機中のクラブハウス内に流れたのは指定されたスタート時間のわずか8分前。その上、プレーオフ1ホール目と異なり、小雨が降る中でのプレーだったが、きっちり対応した。3Wの第1打をフェアウエーに置き、ピン右奥から6メートルのバーディーパットも60センチの安全圏に寄せた。第1打を1Wで左ラフに打ち込み、残り15メートルのバーディーパットを3メートル近くオーバーさせてボギーを叩いた小祝とは対照的だった。この優勝で賞金ランクは5位から3位に浮上。賞金女王レースのトップを走る鈴木愛とは約2000万円差に迫った。

 既に世界最高峰の米ツアー、母国・韓国ツアーでは賞金女王のタイトルを獲得している。史上初の日米韓3ツアー全制覇が今季の最大の目標。今週のメジャー、日本女子プロ選手権の優勝賞金は3600万円。故障のため長期離脱中の鈴木の背中は既にハッキリと見えている。

 ≪比嘉9番痛恨ダボ「悔しい」≫首位に1打差の2位から出た比嘉は9番の第1打を左の林に打ち込んで痛恨のダブルボギー。紛失球となったマイボールとともに4月のKKT杯バンテリンレディースに続く今季2勝目も消えた。「悔しいのひと言です。あそこに打った自分が悪い」元世界ランク1位・申ジエとの初の最終日最終組対決。9日に大相撲秋場所の初日を迎える婚約者の勢と同じく“横綱”からの金星を狙ったが、それは今週のメジャー、日本女子プロに持ち越しとなった。

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2018年9月3日のニュース