出水田がトップ守る 鹿児島の飛ばし屋本領「自分のプレーを」

[ 2018年8月26日 05:30 ]

男子ゴルフツアーRIZAP・KBCオーガスタ第3日 ( 2018年8月25日    福岡県糸島市 芥屋GC(7151ヤード、パー72) )

18番でバーディーを奪い笑顔を見せる出水田
Photo By 共同

 単独首位で出たプロ8年目の出水田大二郎(25=TOSS)が67と伸ばし、通算11アンダーでトップを守った。26日は自身初の最終日最終組で初優勝を狙う。武藤俊憲(40=フリー)がこの日ベストの64をマークし通算9アンダーで4位に付けている。前日体調を崩した石川遼(26=CASIO)は68で回り通算5アンダーの20位に順位を上げた。

 1年前とは別人のようだった。出水田は持ち味の飛距離を武器に4つのパー5で3バーディーとスコアを伸ばす。1打差で迎えた18番でも1メートルのバーディーパットをきっちり沈め首位を守った。

 「去年と比べ自分のゴルフがしっかりできたかなと。リラックスして回れました」。2日目に2位に躍進した昨年は、同じ3日目にV争いの重圧からスコアを崩し最終的に15位に終わった。その経験を生かしこの日はキャディーと冗談を言い合いながら気持ちを落ち着けてプレーした。

 スタート前には思わぬ人から激励を受けた。「チーム孔明」のリ―ダーの小田孔明だ。小田は前日予選落ちしていたが、わざわざコースまで来て「頑張って」と声を掛けてくれた。今季のミズノでツアー初優勝を挙げた秋吉翔太を含めメンバー3人はいずれも九州出身。特に秋吉はともに樟南高ゴルフ部の寮で生活した仲で、1年の時の3年という直系の先輩でもある。その秋吉もこの日は66をマークし首位を猛追。「後輩を少しでも下からあおれれば」と初Vを目指す弟分の尻を叩く。

 「(最終日は)秋吉さんのことが気になると思います」。維新の三傑・西郷隆盛を生んだ鹿児島出身。1メートル83、89キロのどっしりとした体形と泰然とした態度はどことなく故郷の英雄を思わせる。

 最終日に最終組で回るのはプロ8年目で初めての体験だ。「頑張ろうと思いすぎると空回りするので、入れ込み過ぎず自分のプレーを心掛けたい」。ゴルフ界の“西郷どん”が時運を味方に大仕事に挑む。

 ◆出水田 大二郎(いずみだ・だいじろう)1993年(平5)2月5日生まれ、鹿児島県出身の25歳。横峯さくらの父・良郎氏が主宰する「めだかクラブ」でゴルフを始め、樟南高時代には、1年の08年から九州ジュニア3連覇。11年にプロ転向し、12年の中日クラウンズでツアーデビューした。ツアー未勝利。得意なクラブはショートアイアンで趣味は読書と音楽鑑賞。1メートル83、89キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2018年8月26日のニュース