稀勢、初日は御嶽海 得意の初顔で綱獲り勢いつける

[ 2016年7月9日 06:08 ]

入念に稽古をする稀勢の里

 日本相撲協会は8日、大相撲名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)の取組編成会議を開き、綱獲りの大関・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)は初日に初顔の御嶽海(出羽海部屋)、2日目に新関脇・魁聖(友綱部屋)との対戦が決まった。稀勢の里はこの日、愛知県長久手市の田子ノ浦部屋で小結・高安と三番稽古を行い、場所前の本格的な稽古を終えた。9日の最終調整を経て、勝負の場所に臨む。

 新鋭を料理して勢いをつける。2場所連続13勝で迎える綱獲り場所。初日の相手は大関初挑戦となる23歳の御嶽海に決まった。対戦相手を聞かされた稀勢の里は「若手で勢いがある。しっかり集中してやっていく」と気を引き締めた。

 一度も対戦のない相手はやりにくさがあるはずだが、稀勢の里は初顔を得意としている。幕内での初顔合わせの成績は過去90回で58勝32敗(1不戦勝含む)の勝率・644だが、大関昇進後は17勝2敗で・895。どんな相手でも侮ることのない大関ではあるが、絶対に負けられない初日が初顔となったのはラッキーと言える。

 「集中」に加え、もう一つのポイントとなるのが「修正」だ。この日は5日の二所ノ関一門連合稽古最終日以来、3日ぶりに相撲を取り、小結・高安と18番で10勝8敗。2日間土俵に上がらなかったことで「疲労は抜けた」というものの「少し狂いというか、しっかり修正しないと」と話した。稽古後は立ち合いを若い衆にスマートフォンで撮影させて確認。本人にしか分からない感覚のズレを直すことに努めた。

 相撲協会審判部は、5月の夏場所前はハイレベルな優勝を横綱昇進の条件としていた。2場所連続13勝により、そのハードルは「成績に関係なく初優勝なら」と下がっていたが、本場所直前になっても審判部の考えは変わっていない。二所ノ関部長(元大関・若嶋津)は「優勝しなかったら話にならない。それから」、友綱副部長(元関脇・魁輝)は「12勝でも優勝ならね」と話した。

 30歳で迎える最初の場所。「まだ成長している」と自負する稀勢の里の場所が、いよいよ始まる。

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2016年7月9日のニュース