沙羅強さのワケ 牧野トレーナーと原点回帰の基本トレで安定感UP

[ 2016年2月20日 07:15 ]

牧野講平トレーナー

ノルディックスキー W杯ジャンプ女子個人第15戦

(2月19日 フィンランド・ラハティ=HS100メートル、K点90メートル)
 「あまり新しいことはやっていなくて、どちらかというと古いやり方に戻した」。12年から高梨沙羅(19=クラレ)を指導するウイダー・トレーニングラボの牧野講平トレーナー(36)は、今季の高梨のトレーニングについてこう語る。

 新シーズンの方針を話し合った昨年4月のミーティング。高梨から「もう少し安定感が欲しい」と要望があったという。高梨のメニューは(1)各パーツごとに鍛えていく基礎基本(2)動きのあるジャンプに特化したもの――の2つに分かれる。以前は(1)が7~8割、残りが(2)。14年ソチ五輪が近づくにつれて割合を入れ替えたが、今季は原点に立ち返って(1)の量を元通りに増やした。

 筋力アップよりはチューブなどを使った「動き作り」が主目的。「イメージはリハビリに近い。使えない筋肉を使えるようにする。使えるもの同士は(連動できるように)コーディネーションする」。地味なメニューも黙々とこなし、十分に体を活用できるようになってきた。

 最近は高梨も大学で解剖学などを学んでおり「会話の中に筋肉の名前が出てくるようになった」と牧野氏は笑顔で言う。肉体への理解の深まりも安定したジャンプを支えている。

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2016年2月20日のニュース