日馬 ど根性1敗死守 右目に豪栄道頭部直撃も何の!!

[ 2015年11月20日 05:30 ]

取組後、右目を充血させる日馬富士

大相撲九州場所12日目

(11月19日 福岡国際センター)
 2場所連続休場から復帰した横綱・日馬富士がカド番大関・豪栄道を押し出して1敗を守った。鋭い当たりからの速攻相撲がよみがえり、3日目は全勝で優勝争いトップを走る横綱・白鵬との直接対決に臨む。白鵬は大関・琴奨菊を寄り切り、今年66勝目で9年連続の年間最多勝が確定した。

 気合だ~!日馬富士がど根性で優勝争いに生き残った。立ち合いは低くもぐった豪栄道の頭部を右目付近に受けた。昨年秋場所の嘉風戦では似た状況で右眼窩(がんか)底内壁骨折の重傷を負っている。恐怖がフラッシュバックしても不思議ではなかったが、ひるむ様子は全く見せない。突っ張りで攻め込み、一気にカド番大関を土俵下まで押し出した。

 花道を引き揚げる際は右目を何度もつむり、タオルを当てる痛々しい姿だった。それでも会心の勝利に支度部屋では「自分の立ち合いだけに集中して、あとは自分の体の動きに任せました。出足が良かった」と笑みを浮かべた。少し充血した右目は「“やめて~!”と悲鳴を上げてます」と冗談まじりに無事を強調する余裕すらあった。

 13日目は全勝で優勝争いトップを走る白鵬との直接対決。「楽しみです。全身全霊をかけて、気持ちで精いっぱいやりたい。(自分にとって白鵬は)ずっと大きな壁という存在。燃えます」と気合満点だ。

 北の湖理事長(元横綱)は「ここまで1敗で来たのは褒めていい」と休場明けでの奮闘を評価する。ただ、きょうの取組に関しては「7対3」で白鵬優勢の見立て。これを覆さなければ、13年九州場所以来2年ぶりの優勝は見えてこない。日馬富士は「2場所休んで体が元気というか。足首や膝、肘、いろいろなケガが治りつつある」と手応えを感じている。白鵬との前回対戦は夏場所千秋楽。一度は土俵際に追い込まれながら低い姿勢で飛び込んで逆襲し、弟弟子・照ノ富士の初優勝を援護射撃した。今度は自らの復活を証明するために勇気を奮い立たせる。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月20日のニュース