錦織 フェデラーとフルセット激闘も無念4強ならず

[ 2015年11月20日 05:30 ]

試合中に悔しそうな表情を見せる錦織(AP)

男子テニス ATPツアー・ファイナル第5日シングルス1次リーグA組

(11月19日 ロンドン・O2アリーナ)
 世界ランキング8位の錦織圭(25=日清食品)は1次リーグA組の最終戦で同3位のロジャー・フェデラー(34=スイス)に5―7、6―4、4―6で敗れた。第1セットは競り負け、第2セットは1―4と追い込まれたところから逆転。フルセットにもつれ込んだが、敗れた。錦織は1勝2敗で1次リーグ敗退。今季の戦いも幕を閉じた。18日のB組では世界ランキング5位のラファエル・ナダル(29=スペイン)が同2位のアンディ・マリー(28=英国)を破って2連勝とし、準決勝進出を決めた。

 失うものがない錦織が、追い込まれてようやく牙をむいた。第1セットを惜しくも落とし、第2セットはズルズルと1―4。ここで目が覚めたかのようにラケットを振り始めた。うなりをあげるフォアハンドで立て続けに決定打を決める。第7、第9ゲームと連続でブレークに成功し、セットを奪い返して試合をイーブンに戻した。

 最終セットも際どい攻防が続いた。最初にチャンスをつかんだのは錦織。第3ゲームで3本のブレークポイントをつかんだ。しかし、ここをしのいだフェデラーが直後の第4ゲームをブレーク。錦織も負けじと第7ゲームで再び追いつく。この試合中は雄叫びをあげ、何度も激しくガッツポーズ。最近の錦織にはなかった気迫のこもったプレーを続けた。

 錦織は今大会の8人では最年少。「一番年下なので居心地が凄くいいわけではない」と語っていた。そんな錦織を最も気に掛けてくれたのは最年長のフェデラーだ。「凄く気さくで、あまり表には見せていないやんちゃさがある」。おかしな発音で名前を連呼されるなど「ちょっとお笑いの感覚が分からない」と困惑するほどだった。笑いのセンスは?だったが、テニスのセンスはやはり抜群。勝つことはできなかったが、それでも不振だった後半戦のモヤモヤを振り払うかのような大熱戦を披露した。場内からの大きな拍手を背に錦織はコートを後にした。

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