北の湖理事長が多臓器不全で死去、62歳 第55代横綱 優勝24回で一時代

[ 2015年11月20日 20:28 ]

62歳で死去した日本相撲協会の北の湖理事長

 日本相撲協会の北の湖敏満(きたのうみ・としみつ、本名小畑敏満=おばた・としみつ)理事長(元横綱)が20日午後6時55分、死去したことが分かった。玉ノ井広報部副部長が発表した。62歳だった。北海道出身。

 同広報部副部長によると死因は直腸がんによる多臓器不全だという。「急変だった。きのうも元気に公務されていたのに、いきなりこういうことになって。何ともいえないです」と神妙に話した。日本相撲協会は理事長代行を八角親方(元横綱北勝海)が務めると発表した。

 この日朝、貧血で救急搬送され、開催中の九州場所を休場することが発表されていた。今年7月の名古屋場所では腎臓に尿がたまる両側水腎症で途中休場。体調面に不安を抱えているが、九州場所は初日から勤務して報道対応などを連日こなしていた。

 北の湖理事長は1953年(昭28)5月16日、北海道生まれ。中学時代の67年初場所で初土俵、18歳の72年初場所で新入幕するなどスピード出世し、74年名古屋場所後には21歳2カ月で第55代横綱に昇進した。優勝は24回を重ね、輪島、初代貴ノ花らと一時代を築いた。

 85年の引退後は一代年寄として「北の湖」部屋を興し、2002年には理事長に就任した。就任後は07年の朝青龍騒動や時津風部屋力士暴行死事件、08年9月8日、ロシア人力士の大麻問題と立て続けに不祥事に見舞われ辞任に追い込まれた。12年1月に理事長に復帰し、13年には還暦土俵入りを行った。同年12月には大腸のポリープを除去手術を受けるなど病気と闘っていた。

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2015年11月20日のニュース