元朝青龍 北の湖理事長を悼む「悲し涙が止まらない」

[ 2015年11月20日 20:53 ]

元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏

 大相撲の元横綱で、日本相撲協会の北の湖敏満(きたのうみ・としみつ=本名小畑敏満=おばた・としみつ)理事長が20日、直腸がんによる多臓器不全のため福岡市内の病院で死去した。62歳。北海道出身。元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(35)はツイッターで「悲し涙が止まらない!昼に連絡して電話出なかた!部屋付き親方と話した!命まで大丈夫と安心したけど!悲し涙」(原文ママ)と悼み、沈痛な様子をうかがわせた。

 北の湖理事長はこの日朝、貧血で救急搬送され、開催中の九州場所を休場することが発表されていた。今年7月の名古屋場所では、腎臓に尿がたまる両側水腎症で途中休場。体調面に不安を抱える中、九州場所は初日から勤務して報道対応などを連日こなしていた。

 2006年には、元朝青龍は北の湖理事長から口頭で厳重注意を受けた。協会が既に開催を見送った同年夏のモンゴル巡業について、夏場所中の支度部屋で署名活動を行ったことが問題視された。

 署名の趣旨はモンゴル巡業が実現した場合、日程が厳しくなっても力士会としては協力するというものだったという。右ひじを痛めて休場していた朝青龍は若者頭の助けを借りて署名を集めた。力士会会長の立場にありながら、協会の決定に反旗を翻したと受け取られかねず、北の湖理事長は「しっ責したということは厳重注意と同じこと。(故郷で)巡業をやりたい気持ちは分かるが、場所中は力士が土俵に集中しなければいけない一番大事な時期。本人は深く反省していますということだった」と険しい表情で、自覚の足りない横綱に猛省を促した。

 一方、同年の名古屋場所を元朝青龍に、北の湖理事長は「今場所は危ない相撲が一番もなかった。休場明けの横綱は、優勝して初めて復調したと言える。優勝したのだから、完全復活でしょう」と称えた。

 横綱と理事長の関係があっただけに、元朝青龍の悲しみも深いようだ。

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2015年11月20日のニュース