<三浦国際市民マラソン>女子・田嶋、両親に感謝の初制覇

[ 2015年3月2日 05:30 ]

<三浦国際市民マラソン>女子ハーフマラソン優勝の田嶋叶

 ホノルルマラソンの姉妹レース「第33回2015三浦国際市民マラソン」は1日、1万1234人(5キロ=2555人、10キロ=3327人、ハーフマラソン=5121人、キッズマラソン=231人)が参加して行われた。ハーフマラソン女子は田嶋叶(かなえ、18=東農大)が1時間17分45秒で初制覇。

 レース前から決めていた積極的な走りが、最高の結果を呼んだ。初のハーフマラソンに挑戦した田嶋は人さし指を突き上げる“1番ポーズ”でゴールテープを切った。「途中つらくて、走っている時にまた(この大会に)出るか迷ったけど、1位になれたら素直にうれしくて、もう一回出ようと思いました」。雨に濡れた顔をほころばせた。

 第1関門は標高80メートルの4キロすぎ。「まだ上るんだ」と思いながら急勾配の坂道で歯を食いしばった。坂を下った先の7キロすぎには両親から「かなえ、ファイト!」の声。「いなくなるまでずっと後ろからも聞こえた」という応援が力になった。折り返しでは沿道からの助け舟。「女子1位だから頑張って」。初めてトップだと知ると男性ランナーと並走。「あれが良かった」と作戦が実り、最後は強い雨の中、「つぶれてもいい」と言い聞かせ気迫で走り切った。

 走るきっかけはサッカーだった。小4から地元クラブチームでボランチでプレー。体力アップのため成田西中では全国区の強豪の陸上部に入った。サッカーで鍛えた脚力で駅伝メンバーに選ばれると、2、3年で全国大会出場。市船橋高から東農大に進み、現在は千葉の実家を離れて東京で寮生活を送っている。「帰りたいと思った」時期もあったが、1部屋4人の共同生活にも「慣れてきて楽しい」と笑う。高校まで「料理をしたことがなかった」が、自炊をするようになり、先輩に教わった「高野豆腐の卵とじ」が得意料理だ。

 ケガが多く、昨年は思った練習ができなかった時期もある。それでも仲間と支え合い目標へ向かってきた。14年はサポートする側だったが、優勝で自信をつけ「これからは自分が走って貢献したい」と力を込めた。

 ◆田嶋 叶(たじま・かなえ)1996年(平8)3月13日、千葉県生まれの18歳。成田西中で陸上を始める。市船橋高では3年間、全国都道府県対抗女子駅伝に出場し、2年時は7区を走り区間6位。現在は東農大1年。5000メートルのベストは16分15秒。1メートル56、45キロ。

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2015年3月2日のニュース