ペースメーカー“ドタバタ”…前田、日本人最上位の4位も困惑

[ 2015年3月2日 05:30 ]

日本人トップの4位だった前田和浩

スポニチ後援びわ湖毎日マラソン

(3月1日 皇子山陸上競技場発着=42・195キロ)
 8月の世界選手権(中国・北京)の代表選考を兼ねて行われ、前田和浩(33=九電工)は2時間11分46秒で日本人最上位の4位に入ったが、消化不良のレースとなった。2人いたペースメーカーが1キロ3分の設定タイムを守れなかった上に、1人が道を間違えた揚げ句に約束の30キロを前に離脱。雨の影響もあって凡タイムに終わった。サムエル・ドゥング(26=ケニア)が2時間9分8秒で3年ぶり2度目の優勝を果たした。

 たまりかねた末の行動だった。23キロすぎ、前田は30人近くいた大集団からスッと抜け出した。先頭に立つと右手で3を示し、ペースメーカーに何かを伝えた。レース後、その内容を明かした。

 「(設定の)1キロ3分以上かかっていた。せめて3分でいってくれとお願いしました。タイムがかかっているので」。世界選手権の代表選考で記録が必要になるため、“しっかり走れ”と活を入れたのだ。

 いら立っていたのは前田だけでない。最初の5キロが15分30秒というスローペースで、その後ペースアップしたものの、再び15~20キロで15分30秒と落ちた。優勝したドゥングも走りながら「ペースを極端に上げたり減速したりしないで」と“ラビット”を務めた2人のケニア人に何度も伝えていた。

 ペースメーカーのトラブルはこれだけでなかった。1人は折り返し地点で道を間違えて大きく後退。懸命に追いついたものの、そこでスタミナを使ったのか約束の30キロまで1キロ強のところで先頭集団から脱落するハプニングまで起きた。終始、先導役のドタバタが目立ったレースになった。

 本降りの雨に加え、ペースメーカーの迷走があったのは不幸だが、前田は2時間11分46秒という凡タイムでの4位を重く受け止める。「優勝を目標にしてきた。順位もタイムも納得いく結果ではない」。30キロすぎのドゥングのスパートに日本勢で唯一ついていったのが数少ない見せ場だった。代表選考に有利なナショナルチームに在籍するため、日本人最上位に入ったことで世界選手権の代表入りを有力としたものの笑顔はない。この消化不良は、晴れて代表に選ばれた先の北京で晴らす。

 ▽世界選手権代表選考 枠は3。選考会は昨年12月の福岡国際、2月の別府大分毎日、東京、この日のびわ湖毎日。別府大分毎日のみ日本人最上位、他の3大会は日本人上位3人が選考対象になる。日本陸連の設定記録2時間6分30秒を切れば優先的に選考されるが、このタイムを突破した選手はなし。本番で期待できる選手が総合的に選考されるが、原則は日本陸連ナショナルチームの選手が選ばれる。

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2015年3月2日のニュース