遠藤 琴欧洲にも勝った!中日は全勝の大砂嵐と激突

[ 2014年3月16日 05:30 ]

琴欧洲(下]を叩き込みで破る遠藤

大相撲春場所7日目

(3月15日 ボディメーカーコロシアム)
 序盤で上位に4連敗した東前頭筆頭の遠藤が関脇・琴欧洲をはたき込んで、3連勝と調子を上げてきた。中日は全勝を守った平幕・大砂嵐と人気力士同士の対決が待っている。両横綱も無傷の7連勝。関脇・豪栄道は大関・琴奨菊との1敗対決を制した。カド番の稀勢の里は連敗を2で止め、大関・鶴竜は1敗をキープした。

 遠藤が完全に逆襲モードに入った。2場所連続で琴欧洲を撃破。4連敗からの3連勝だ。仕切り前、満員御礼のファンが合唱する遠藤コールにしっかり応えた。

 「最後の仕切りのあとは(コールは)いつもは聞こえない。でも、きょうは聞こえた。うれしいですよね」

 成長の跡を確かに見せた。先場所での対戦では立ち合いでわざと遅れ、左を差した。昭和の大横綱・双葉山が極めたとされる“後の先(ごのせん)”かと騒がれた。しかし、結果として攻め込まれて、すくい投げで逆転勝ち。後日、「あれは後の先なんて、いいもんじゃない。“後の後”でしょ」と自虐的に話した。しかし、今場所は遅れることはなかった。正攻法で踏み込んだ上で、はたき込み。引き技とはいえ、危なげなく勝った。北の湖理事長(元横綱)も「勝ち越すチャンス。(序盤で)上位とやったから、同じくらいの地位とやると力を発揮する。上位も、日馬富士戦以外は押し込まれていないからね」と目を細めた。

 高まる期待はプレッシャーにもなりかねない。だが、今はプレッシャーも受け止める。力を得たのはレスリングの吉田沙保里の姿だ。父を亡くした悲しみを乗り越えてW杯に臨むニュースを見て、「精神的に凄い」と自らも戦いに臨む気持ちを奮い立たせている。

 角界デビューした昨年の春場所後に、故郷・石川県穴水町の両親に時計を贈った。日大の卒業式に出席し、卒業生代表として壇上で「総長賞」として受け取ったものだ。初場所で受け取った敢闘賞のトロフィーも贈っている。そして1年。今、最高のプレゼントは勝ち越しだ。きょうは全勝街道を走る大砂嵐が相手。「先場所負けているので向かっていく気持ちで」と遠藤はリベンジを期した。今場所の親孝行はこれからだ。

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2014年3月16日のニュース