大砂嵐うまさも見せた「変化に気をつけていた」

琴奨菊（左）をすくいなげで破る豪栄道

大相撲春場所７日目

（3月15日 ボディメーカーコロシアム）
　力だけではない、うまさの勝利だった。大砂嵐が舛ノ山の力強い立ち合いに右からのかち上げで対抗。左を差して右からタイミング良く突き落として全勝を守った。

　「変化に気をつけていた。スペースが空いて変化されないように。一発もある。相手も突っ張ってきたが脇を締めて突き落とした」。平幕でただ一人全勝を守り両横綱とトップを並走。だが、連勝については「考えてない。全然考えてない」と無欲を強調した。

　好調ぶりに取組を編成する審判部が粋な演出をした。満員御礼が確実な８日目に大砂嵐と遠藤をぶつけた。通常は幕内中堅の好調な力士との対戦から組むだけに異例の大抜てき。伊勢ケ浜審判部長（元横綱・旭富士）が「みんなも見たいだろうし、私も見たい」と笑った。大砂嵐はライバルとの一番に「いつもと一緒。あしたも初日と思っていく」と静かな闘志を燃やしていた。

　▼鏡山審判部長（元関脇・多賀竜）サービスだよ。たまには面白い取組をつくらないと。（遠藤―大砂嵐戦について）