駒大3冠逃す エース窪田9区投入も時すでに遅し

[ 2014年1月4日 05:30 ]

2位でゴールした駒大10区・其田健也は悔しさをにじませる

第90回箱根駅伝

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・9キロ)
 逆襲劇の幕は開かなかった。過去6度の総合優勝のうち4度を往路2位からの逆転で決めた駒大だが、今年は往路2位、復路も2位で東洋大に完敗。10年度の早大以来となる出雲、全日本、箱根の3冠には届かず、大八木監督は「まだまだ力がない。長い距離に対して、足りないところがあった。前を走ったら東洋大は強い」と振り返った。

 復路最長の9区(23・2キロ)に、窪田主将(4年)を起用。補欠から当日の選手変更でエースを投入したが、東洋大とは絶望的な大差が開いていた。往路終了時に59秒だった東洋大は窪田がタスキを受けた時点で3分40秒も前方に。爆発力に欠ける区間2位で28秒縮めるのが限界だった。アンカーがフィニッシュ後は「申し訳ないです」と号泣。閉会式会場に向かうバスでは前の座席に頭を押しつけ、チームメートも話しかけられないほどショックは大きかった。

 ようやく落ち着いたのは、レース終了から2時間以上経過してからだ。「自分の力不足。東洋大の背中は全然、見えなかった。心と体にズレがあった。箱根は難しい」と窪田は真っ赤な目で振り返った。往路、あるいはまだ挽回の可能性があった7、8区で窪田を起用し、リードを奪う戦略はなかったのか。大八木監督は「悩んだよ。悩んだけどねえ」と話し、「やり方によっては、もうちょっと(東洋大との)差は詰まったかな」と“采配ミス”を認めた。

 経験が生きる箱根路で10区間中、4年生はわずか2人。選手層の薄さも敗因だった。「自分に甘えた者と甘えなかった者の差が極端過ぎる。自分に厳しくなってほしい」と訴えた指揮官は「粘れる選手をつくらないと。中堅から下は練習の取り組みをアレンジしてやり直す」と続けた。メンタルもフィジカルも鍛え直して、再び3冠の夢を追う。

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2014年1月4日のニュース