東の横綱・桐蔭逆転4強 準決勝へ“桐蔭対決”だ

[ 2014年1月4日 05:30 ]

<桐蔭学園・天理>ベスト4進出を決め、喜ぶ桐蔭学園フィフティーン

第93回全国高校ラグビー第5日 桐蔭学園26―14天理

(1月3日 花園)
 準々決勝4試合が行われ、関東勢で唯一勝ち残っているAシードの桐蔭学園(神奈川)は、天理(奈良)に26―14で勝利。東福岡(福岡)との両校優勝だった10年度以来、3大会ぶりの準決勝進出を果たした。残るAシードの東海大仰星(大阪第1)、大阪桐蔭(大阪第2)もそろって4強入り。全試合後の抽選の結果、5日の準決勝は、東福岡―東海大仰星、大阪桐蔭―桐蔭学園の組み合わせに決まった。

 東の横綱は劣勢でも焦らなかった。2点を追う後半13分、相手陣でターンオーバーすると、FW陣の連続攻撃で徐々に前進。最後はロックの古川が中央ラックから右サイドを突き、逆転トライを奪った。同24分にもFWの連続攻撃でトライ。殊勲の古川は「こだわってFWで行ってトライになった」と表情を緩めた。

 3年前のVメンバーの松島幸太朗(サントリー)や元日本代表の四宮洋平(イタリア・レッジョ)らを輩出するなど、伝統的にバックスに強みを持つが、今年はFW陣の能力も高い。古川やフッカー堀越をはじめ、高校日本代表候補は4人。FW陣だけで帝京大、東海大、日体大に出向き、大学生とのスクラム練習にも取り組んだ。「大学生は低い姿勢を取るまでが速く、一気に押された。勉強になった」(古川)とそこで学んだ高いレベルのノウハウは、同じ高校生相手の舞台で生きた。

 もちろんバックスも負けていない。前半2分に先制トライを奪ったのはSO横山主将。さらに光ったのが、司令塔としてのゲームコントロール能力。太陽を背にした後半からキックを多用した理由について「前半、太陽があってキックが見えなくて困ったので」と説明。FWによる後半の2トライは、いずれも横山のロングキックが起点。競り合う展開でも冷静な状況判断で逆転勝ちにつなげた。

 大阪市内の宿舎を出発する前、横山は2年生春からつけているラグビーノートを見返した。そこには12年4月、全国選抜大会の天理戦で、ダイレクトキックとタックルミスを犯し、引き分けに持ち込まれた苦い記憶が記されている。「天理と決着をつけようという思いがあった」と個人的なリベンジも果たした。あと2勝に迫った頂点へ向け「一試合一試合です」と気を引き締めた。

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2014年1月4日のニュース