松山“有名税”ギャラリー指摘で2打罰…4位に後退

[ 2013年5月18日 06:00 ]

<日本プロゴルフ選手権2日目>スコアを提出しアテスト場を出る松山英樹

男子ゴルフツアー・日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯第2日

(5月17日 千葉県印西市・総武CC総武C=7327ヤード、パー71)
 “有名税”のペナルティーだ。2位から出た松山英樹(21=東北福祉大)は2バーディー、1ダブルボギーの71で回り、通算4アンダーで首位と4打差の4位に後退した。15番パー4の第2打を打つ前に、ボールが動いていたことがギャラリーなどの指摘により発覚。ノーボギーの69に痛恨の2罰打が加わった。8位から出た藤本佳則(23=フリー)が65を叩き出し首位に立った。
【第2R成績】

 怪物の表情が曇った。ホールアウト後、動揺した表情でスコア提出場から出てきた松山は、競技委員に伴われマーカーの松村道央と大会本部に直行。15番の第2打地点の映像を確認すると顔をこわばらせ、スコアを書き直して提出した。「テレビのスローで見たら球が半転がりしていた。気付かずそのまま打ってしまった。不注意でペナルティーを取られたのは凄く痛い」。誤所からのプレーにより2罰打が加わり71。この日の2バーディーは水泡に帰した。

 スコアを2つ伸ばして迎えた15番パー4。1Wを左に曲げ、木の根元の土があらわな場所に止まった。周囲の枯れ葉を取り除き、6Iを握って200ヤード先のピンをチェックした。藤本競技委員長によると、その直後に球がクラブ側に半回転動いたという。「その時に気付いて元の位置に戻せば1打罰で済んだ。ボールを見ずにグリーンを見ていた」と松山。今回はモニターを見た観客などの指摘で発覚したもので、注目を集める怪物ゆえの“有名税”のペナルティーとなった。

 不運な形でダブルボギーとなったが、実質は2日連続のボギーなし。7度使った1Wは2度しかフェアウエーに飛ばなかったが「ユーティリティーや3Wでキープできる」と最善を尽くした。9番は2・5メートル、15番では3メートルを沈めるなど、ここ一番の集中力も毎試合優勝争いできる理由だ。

 プレー中に左脇腹を痛めた前日の会見後、クラブハウスの階段で転倒し左足首をひねった。この日はラウンド中に足に痛みが走り何度も厳しい表情を見せた。「ダブルボギーはあったけど首位と4打差なので、あす(3日目に)少しでも縮めて最終日に優勝争いをしたい」。踏んだり蹴ったりの出来事も何のその、残り36ホールでメジャー制覇をつかみ取る。

 ▽規則18―2プレーヤーかパートナー、またはそのキャディーや携行品により止まっている球が動かされた場合(要旨) 規則によって認められる場合を除き、プレーヤーの球がインプレーの場合、プレーヤーかパートナー、またはどちらかのキャディーが、球の動く原因となることをしたとき、プレーヤーは1打の罰を受ける。
 球が動かされた場合、その球はリプレースされなければならない。リプレースしなかったときは、プレーヤーは一般の罰(ストロークプレーでは2打)を受ける。この規則に基づく罰の追加はない。

 ≪マスターズではウッズも≫今年のマスターズではウッズがテレビ視聴者の指摘により2罰打を受けた。第2日の15番パー5で第3打を池に入れたウッズは打ち直してボギーとしたが、翌日にテレビ視聴者から、最初に打った位置と違う場所にドロップしたと指摘があり事情聴取後に処分を受けた。誤所からのプレーなら2打罰を科されスコアの過少申告で失格となるが、テレビ視聴者などの指摘でスコアカード提出後にルール違反が発覚し選手が違反を認識していなければ、競技委員との協議次第でプレー続行が可能とされるという11年に設けられた新ルールにより失格を免れた。

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