東京の熱意伝わった 20年五輪招致へIOCから高評価

[ 2013年3月8日 06:00 ]

会見後、ガッツポーズでフォトセッションに臨む(前列左から)パラリンピアンの田口亜希、招致委員会の竹田理事長、猪瀬会長、下村文科相、(後列同)小谷実可子さん、招致アンバサダーの太田雄貴、鳥原・日本障害者スポーツ協会会長、招致委員会の水野副理事長、荒木田スポーツディレクター

 オールジャパンの熱意が伝わった。20年夏季五輪の開催地決定に向けた国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会による東京の現地調査最終日となった7日、同委員会のクレイグ・リーディー委員長(71=英国)が都内で会見。皇室のご協力、安倍晋三首相(58)ら政界人、財界人、アスリートも積極的にアピールした4日間を振り返り、東京の五輪招致への熱意を絶賛した。開催地が決まる9月7日のIOC総会(ブエノスアイレス)に向け、TOKYOが高評価を勝ち取った。

 全力を尽くした4日間が終わった。この日、午前に行われたセキュリティーや環境に対するプレゼンテーションで、IOCの評価委員会の現地調査が終了。午後に会見したリーディー委員長は、「強い政府のサポートがある。幅広い経済界からの支援も理解することができた。皇太子さまにお目にかかれたのは、国民のサポートがある象徴。オリンピアンもパラリンピアンも重要な役割を果たしている」と話し、「大会に対する熱意が見られた」と高評価を口にした。

 現地調査が始まった4日、皇太子さまが評価委員メンバーを接見された。前日(6日)の安倍首相主催の夕食会には、高円宮妃久子さまも出席された。5日にIOCが発表した開催支持率は都内で70%と、昨年5月の時点より23%もアップ。オリンピアンやパラリンピアン、次世代の若いアスリートら、延べ47人は前面に立って、情熱を訴えかけた。「スポーツも五輪もアスリートのもの。IOCのメンバーとして、アスリートと話をするのは楽しい。若い選手は希望や夢を語ってくれた。非常に高く評価している」とリーディー委員長。東京ビッグサイトでは、福原愛とバウマン委員がラリーを披露し、「ピンポンはもっと練習しないとダメだね」と同委員長はジョークを交えて振り返った。

 評価委員会は18日からマドリード、24日からイスタンブールの現地調査を行い、7月に公表される評価報告書を作成する。「プレゼンテーションの質も高かったし、どれも素晴らしかった」とリーディー委員長は総括したが、本当の勝負はこれからだ。最大のライバルとなるイスタンブールは「イスラム圏初」の売り文句があり、過去4度落選の経緯からも同情票が集まると指摘する関係者もいる。マドリードもレスリングの除外問題で注目されたIOC委員のサマランチ・ジュニア氏の政治力もある。トップバッターとして高評価を得た日本だが、最後のヤマ場となる7月のIOC委員への開催計画説明会まで予断を許さない状況だ。

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2013年3月8日のニュース