レスリング五輪存続へ 吉田、各国選手とIOC理事会に集結

[ 2013年2月15日 06:00 ]

IOC理事会を訪れる可能性が浮上した吉田沙保里

 大逆転へ、選手も集結だ。レスリングが20年夏季五輪から除外される危機となり、5月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会が開かれるロシア・サンクトペテルブルクに、現役選手も集結する可能性が14日、高まった。同理事会では、20年五輪で実施する競技の絞り込みが行われる。女子55キロ級で五輪3連覇中の吉田沙保里(30=ALSOK)ら金メダリストが現地を訪れ、五輪存続へ最後のアピールをする。

 五輪存続を懸けた戦いに、全ての手を打って臨む。12日のIOC理事会で20年五輪で実施する「中核競技」から外れたレスリング。5月29~31日にロシア・サンクトペテルブルクで開かれるIOC理事会では、レスリングを含めた8競技から、20年五輪で実施する競技を絞り込む。ここで選ばれなければ、実施競技を正式決定する9月のIOC総会を前に道が閉ざされる。存続アピールのため、五輪金メダリストたちが現地を訪れる可能性が高まった。

 日本協会の福田富昭会長(71)は「ロシアは強豪国だし、ロシア選手も理事会の期間中に現地に訴えに来るのではないか」と説明。「日本選手も協力する可能性だってある」と続けた。13日には国民栄誉賞レスラーの吉田が「できることは何でもやる」と話し、ロンドン五輪男子フリー66キロ級金メダルの米満達弘(26=自衛隊)も「可能なら直談判に行ってもいい」と気合を入れていた。日本人金メダリストが海外選手と協力し、五輪存続を訴える。

 国際レスリング連盟(FILA)の副会長を務める福田会長は16、17日のFILAの理事会(タイ・プーケット)に出席する。理事会では五輪問題について話し合われ、同会長はIOCへのロビー活動、プレゼンテーションの重要性をFILAの理事に訴えるとともに、選手サイドとの連携についても積極的に声を上げる。もちろん同会長もサンクトペテルブルクを訪れ、プレゼンなどを行う予定だ。

 同会長によると海外では具体的な動きを見せている国もあり、米国では存続を訴える署名活動が始まっているという。「まだ(除外が)決定したわけじゃない。復帰を目指してやらないと」。国際連盟も選手も一丸となり、レスリング界最大の危機に立ち向かう。

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2013年2月15日のニュース