尊敬するおじいちゃんのように…大鵬さん孫「横綱で恩返し」

[ 2013年2月1日 06:00 ]

校舎を背に大鵬と同じ雲龍型土俵入りのポーズをとる納谷幸林

元横綱・大鵬の納谷幸喜さん葬儀・告別式

 元横綱・大鵬の孫である埼玉・大宮西中3年の納谷幸林(たかもり)が亡き祖父への思いを独白した。将来的な角界入門を視野に今年4月からは相撲の強豪校・埼玉栄高に入学する15歳。小学生時代からの祖父との思い出などを明かした。

 僕は大横綱であるおじいちゃんを尊敬しています。最近は体が悪くてあまり稽古を見てもらえなかったですが、小学生の頃によく大鵬道場(大鵬部屋)で稽古に参加させてもらった時には「四股を踏め!」と大きな声で指導されました。普段は優しいおじいちゃんなのに稽古場では目の色が変わる。厳しい言葉を掛けられたのをはっきり覚えています。

 相撲は誰かから強制されて始めたわけではありません。それでも、物心ついた時からおじいちゃんの現役時代のDVDを見て「凄い」と思っていた。自主的にまわしを締めたのは小学3年。埼玉に住み始めた中学1年からは名門・埼玉栄高の山田道紀監督の下に通い、稽古にも参加させてもらっています。去年からは弟の三男・幸之介(中学1年)も一緒。たまに東京に帰った時にはおじいちゃんのところにあいさつに行き「体大きくなったな」「足腰が良くなってるぞ」と声を掛けてもらっていました。

 1月19日のお昼ごろ。お母さん(大鵬の三女・美絵子さん)から電話がかかってきました。「すぐに慶応病院に来るように」と言われ幸之介を連れて急いで向かいました。もう意識はなかった。でも、おじいちゃんは僕たちを待っていてくれた。最後に顔を見ることができて本当に安心しました。

 4月からは埼玉栄高に入学して本格的に山田監督の下で稽古に励みます。おじいちゃんを見送り、本当に悲しかった。でも、それと同時にいろいろ迷惑を掛けたおじいちゃんのために将来力士になりたいと思ったし、強くなることが恩返しだと気持ちを切り替えた。目標は横綱。一日一日頑張って早く強くなりたいと思っています。 (大宮西中3年)

 ◆納谷 幸林(なや・たかもり)1998年(平10)1月10日、東京都生まれの15歳。元横綱・大鵬の三女・美絵子さんと元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏の間に生まれた次男。東京・有馬小3年時に相撲クラブ・江東青龍館(東京都江東区)で相撲を始めた。1月23日に埼玉栄高の入学試験に合格。1メートル80、130キロ。血液型A。兄・幸男、弟は幸之介、幸成。

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2013年2月1日のニュース