園田監督辞任へ…パワハラ認め、謝罪「自分の中で焦りあった」

[ 2013年2月1日 06:00 ]

会見を終え深々と頭を下げて謝罪する園田監督

 ロンドン五輪代表を含む柔道女子のトップ選手15人にパワーハラスメントで集団告発された全日本女子の園隆二監督(39)が31日、東京都文京区の講道館で会見を行い、事実を認め謝罪。全日本柔道連盟に進退伺を提出し、女子代表監督を辞任する意向も明らかにした。全柔連の上村春樹会長は今回の騒動の責任を取り、日本オリンピック委員会(JOC)の強化トップとなる選手強化本部長を辞任。前代未聞の告発は急展開を迎えた。

 15人によるパワーハラスメントの集団告発を受けたことが明らかになってから3日目。講道館で会見を行った園田監督は「私の行動、言動が選手をはじめ多くの関係者にご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありません」と10秒以上にわたり頭を下げた。さらに、暴力行為とされる指導を認めた上で「これ以上、強化に携わるのは難しいと判断して、連盟には進退伺を提出するつもりです」と事実上の辞任を口にした。

 前日の全柔連の会見では戒告処分と監督の続投が発表されたが、状況は一変した。体罰問題がクローズアップされる中、問題は肥大化。集団告発した15人を特定するために、強化指定選手が個別取材を受け動揺していることを知った。「こういうことを起こした私が(指導を)続けていくのは選手の負担になるのでは」という思いが、身を引く決断の理由となった。

 「力があるのにもう一つ越えられない壁を自分でつくってしまう選手に“ここで頑張れ”と教える意味があった。それを違う形で伝えられなかったのは指導力不足」と平手打ちや蹴りに至った経緯を説明。「私以外に叩いているコーチはいなかったので特殊だったと思う」とも話した。「死ね」という発言については「負けてもいいから力を出せばいい試合で、逃げた選手に“日の丸をつけて戦う意味合いを知れ”という話をした流れで言ってしまった」と明かした。「自分の中で焦りもあり、急いで強化しないといけないという思いがあったのかもしれない」と五輪での金メダル至上主義が背景にあったことも正直に吐き出した。

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