真央 ジャンプミスに「やってしまったなあって感じ」

[ 2012年12月23日 06:00 ]

コミカルな表情を見せる浅田

フィギュアスケート全日本選手権第2日

(12月22日 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
 日本一へ逆転圏内だ。来年3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)代表選考会を兼ねて行われ、女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(22=中京大)は62・81点の2位発進。終盤の3回転ループが1回転になり今季自己ワーストスコアにとどまったが、65・09点で首位に立った鈴木明子(27=邦和スポーツランド)とは、わずか2・28点差につけた。23日のフリーで2年連続6度目の優勝を狙う。

 軽快な「アイ・ガット・リズム」のサウンドが終わった瞬間、言葉にならない声が漏れた。フィニッシュを決めた浅田が、目を閉じて「あ~」と悔しそうな表情を浮かべる。62・81点という得点が表示されると、思わず首をかしげた。「SPはクリーンに滑って次につなげたかった。やってしまったなあって感じがします。1つのミスが大きかったなあ」。今季自己ワーストスコアでの2位発進に、はじけるようなスマイルはなかった。

 今季初めてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)への挑戦を佐藤信夫コーチに直訴したものの、ストップをかけられダブルアクセルに。いつも通りの構成で快調に滑っていたが、最後のジャンプに落とし穴が待っていた。演技終盤の3回転ループが痛恨の1回転。「踏ん張りすぎたし、跳び急いでしまった」。11月のNHK杯後に腰痛を発症。今月上旬のファイナルは不安を抱えていたが、10日の帰国後、小塚が持っている高周波治療器を借りて休養すると痛みは消えた。不安があったのは、体ではなくメンタル面。「SPでミスが許されない緊張感があった」と振り返った。

 ファイナルを制した浅田にとって、来年3月の世界選手権代表入りはほぼ当確。3季ぶりの金メダルを狙う大舞台は、大好きな家族と共闘する。世界選手権開幕は3月13日で、同10日には姉・舞さん(24)が名古屋ウィメンズマラソンで42・195キロに初挑戦。完走と5時間切りを目標にトレーニングを黙々と消化する姉を見て、「(舞さんは)新しい目標を見つけて頑張っている。真央も頑張りたい」と浅田は刺激を受けているという。

 2年連続6度目の全日本選手権制覇へ、首位の鈴木とわずか2・28点差で23日のフリーに臨む。「今年最後なので、最高の演技をして締めくくりたい。目標は今季一番の演技をすることです」。優雅に、力強く演じる「白鳥の湖」の4分間。日本一、そしてその先にある世界の頂に向かって、逆襲のスワンが羽を広げる。

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