竹内 29歳誕生日に快挙!パラレル大回転 日本人初V

[ 2012年12月23日 06:00 ]

スノーボードのW杯で初優勝し、表彰台で声援に応える竹内智香(中央)(国際スキー連盟提供)

スノーボードW杯

(12月21日 イタリア・カレッツァ)
 パラレル大回転第1戦が行われ、この日が29歳の誕生日だった女子の竹内智香(広島ガス)がW杯初優勝を果たした。W杯同種目の日本勢制覇は男女を通じて初めて。09年2月に山岡聡子がハーフパイプを制して以来となる日本女子選手の優勝となった。4大会連続出場を目指すソチ五輪のプレシーズンを最高の形でスタートさせた。

 外国勢の壁が厚いスノーボードのアルペン種目でW杯参戦13シーズン目の竹内が頂点に立った。国際スキー連盟(FIS)のホームページに「ここまで本当に長かった。やっと表彰台の一番上に立つことができた。人生最高の日になった」と喜びのコメントを寄せた。

 ソチ五輪プレシーズンの開幕戦は29歳の誕生日。周囲の祝福を受けながらも、先月下旬に左すねを痛めて約1週間前に練習を再開したばかりとあってナーバスになっていた。だが、いざ雪上に立てば攻撃的な滑りで予選を6位で通過。上位16人の決勝トーナメントではしぶとく勝ち上がり、カナダ選手との決勝では1回目に得たリードを生かし、0秒34差で逃げ切った。これまで5度の2位が最高で、ようやく大きな壁を越えた。

 メダルを期待されたバンクーバー五輪は13位に終わり、4年後の雪辱を期して現役続行を決めた。約5年間、活動拠点とした本場スイスから今春に日本に戻った。この日の自身のブログには「やっとスタート台に立てたところです。また一つ一つ積み重ねていきたいと思います」とつづった。積み上げてきた努力が結実し、4度目の五輪へ大きな弾みをつけた。

 ▼上島しのぶヘッドコーチ やっと本人が望む結果が出た。技術、体力はいつでも勝てる状態だった。最後の心の部分も、総合的にいろいろかみ合った結果だと思う。

 ◆竹内 智香(たけうち・ともか)1983年(昭58)12月21日、北海道旭川市生まれの29歳。クラーク記念国際高卒。07年からスイスに活動拠点を移す。02年ソルトレークシティー大会から冬季五輪3大会連続出場。女子パラレル大回転で06年トリノ五輪9位、10年バンクーバー五輪13位。09年世界選手権4位。1メートル65、61キロ。

 ▽スノーボード・パラレル大回転 スキーのアルペン競技のように旗門を回転(ターン)しながら滑降し、スピードを競う。予選は1本のタイムで競い、上位16人が決勝ラウンドに進出。決勝ラウンドはトーナメント方式で、並行にセットされた2つのコースで、2選手が同時にスタートする。02年ソルトレークシティー五輪から採用された。スノーボードはほかに半円形のコースで演じる技などを競う「ハーフパイプ」、4人の同時スタートでコース上に設置された障害物をクリアしながら滑り、そのスピードを競う「クロス」がある。

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