応援していたのに…恵那司に「げんこつを食らわせてやる」

[ 2011年2月5日 08:46 ]

大相撲八百長メール問題

 大相撲の八百長疑惑で、日本相撲協会の特別調査委員会は5日、対象となった14人の1巡目の個別聴取を終える。関与を認めた力士の後援者らは肩を落とし、問題のメールで名前が挙がった力士の家族らは固唾をのんで推移を見守っている。

 関与を認めた元幕内春日錦の竹縄親方(35)。地元、千葉県いすみ市の後援会役員米本利雄さん(78)は「(取組に)勝てば祝杯、負ければやけ酒。真剣に応援していたのに裏切られた」と悔しがる。親方の親類の女性も「(八百長は)別の人のことではないかという気持ち」と、テレビに映る親方の姿を見て涙ぐんだ。

 八百長の仲介役だったとみられる三段目恵那司(31)に対し、岐阜県恵那市の親類の男性(61)は「げんこつを食らわせてやる」と憤慨。「強いかどうかは関係ない。自分で選んだ道だから応援したかった」。信じたい気持ちと失望が見え隠れした。

 引退届を提出した十両千代白鵬(27)の出身校、九州学院中学(熊本市)で柔道部顧問を務める石橋金治さん(56)は「大変なことをしてしまったなと思う。ただ、今も教え子に変わりはなく、いつでも受け入れる」と静かに話した。

 一方、メールに名前が挙がりながら関与が不明な力士の関係者は、気をもむ日々を過ごす。

 入門時233キロと日本人最重量の幕下山本山(26)。母校、埼玉栄高校(さいたま市)の相撲部監督山田道紀さん(45)は「自分の子どものように一生懸命育ててきたので心配している」と語る。中学時代の柔道・相撲部顧問だった鈴木剛介さん(55)は「やっていないと信じるだけ」と思いやった。

 青森県深浦町に住む元小結海鵬の谷川親方(37)の父熊谷光雄さん(71)は「息子の嫁から『何度本人を問い詰めても一切かかわっていないと言っている』と電話があった」と明かす。自分に納得させるように「小学生で相撲の世界に入ってから高校まで練習を休んだことがなかった。それだけ真剣に取り組んでいた子が間違ったことはしない」。

 幕内の豊桜(36)が小中学生時代を過ごした広島市でも、当時を知る人々は一様に驚く。ちゃんこ料理店を経営する父親から“相撲教育”を受け、トレーニングを欠かさなかった少年時代。近所の男性(56)は「これまでの頑張りが台無しになってしまう」と心配していた。

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2011年2月5日のニュース