大相撲春場所中止へ 八百長問題影響、6日に正式決定

[ 2011年2月5日 17:46 ]

 深刻さを増す八百長疑惑に揺れる日本相撲協会が、3月13日に大阪府立体育会館で開催する予定だった春場所を中止する方針を固めたことが5日、相撲協会関係者の話で明らかになった。

 疑惑を持たれた14人もの親方、力士に対する特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)は5日夜の会議後、竹縄親方(元幕内春日錦)、十両千代白鵬、三段目恵那司の3人が八百長関与を認めたことと、実態解明が長期化する見通しを明らかにした。

 春場所の中止は調査の長期化や、社会問題に発展した影響を考慮した。6日の相撲協会臨時理事会で正式決定する。相撲協会の理事の1人は「こんな状況で場所を開けば混乱を招くだけで、各方面に迷惑がかかる。協会執行部は決断した。特別調査委の調査次第では5月の夏場所も微妙だと思う」と話した。

 中止となれば、戦争で被災した国技館修復の遅れを理由とした1946年夏場所以来、65年ぶり2度目。不祥事による中止は初めてで、角界は非常事態を迎えた。

 6日の臨時理事会では、八百長を認めた3人を賞罰規定で最も重く、過去に適用されたことがない除名処分とする方向で協議される。八百長を否定しながらも関与が決定的とみられる十両清瀬海ら数人の力士には、解雇処分ではなく、引退勧告が検討されている。

 相撲協会は八百長メール問題を受けて2日に開いた緊急理事会で一度は春場所開催の方向を確認。しかし疑惑の調査が終了しないまま開催するのは困難との意見が複数の理事から相次いだ。4日には放駒理事長(元大関魁傑)と春場所担当部長の北の湖理事(元横綱)らが協議し、6日のチケット販売開始延期を発表したばかりだった。

 ▽山本浩委員の話 あまり話は進んでいない。(14人中3人しか八百長関与を認めなかったことに)やっぱりな、という印象はある。証拠もないのに「クロ」とはできない。今後も難しいかもしれない。

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2011年2月5日のニュース