八百長疑惑14人に厳命!携帯&銀通帳提出要請

[ 2011年2月5日 06:00 ]

 大相撲の八百長メール問題で、日本相撲協会の特別調査委員会(伊藤滋座長)は4日、疑惑がかけられている14人に対し、使用している携帯電話や銀行預金通帳の任意提出などを要請することを決定した。3日から始まった事情聴取で事実関係などに食い違いが見られたためで、当初は調査に及び腰だった特別調査委が前代未聞の“ガチンコ”調査で全容究明に乗り出した。

 特別調査委が前代未聞の大胆要求に出た。相撲協会はあす6日の臨時理事会までに八百長の疑惑がかかっている14人の処分を決定したい意向だったが、放駒理事長(元大関・魁傑)はこの日になって特別調査委の調査が遅れていると説明。だが、同委員会の望月委員(弁護士)は「初めから1度で聴取が終わるとは思っていない。協会との解釈の違い」と猛烈に反論。疑惑の全容究明のため、5日に聴取対象の14人に対し、以下の要求を突きつけることを決定した。

 (1)使用している携帯電話の任意提出。

 (2)携帯電話の通話及びメールのやりとりについての解析を行うことへの同意。

 (3)携帯電話の契約会社に、通話及びメールの記録について開示させ、記録を任意提出。

 (4)使用している銀行預金通帳の任意提出。

 さらには疑惑対象者同士の接触など、八百長の隠蔽(いんぺい)を疑われる行動の自粛を要請するなど、私生活まで制限した。

 これらの要求について、望月委員は「聴取の中でつじつまが合わないことがあったため」と説明した。特別調査委はこの日までに8人の聴取を完了し、5日には6人から事情を聴き、午後7時から2度目の会合を行う。しかし、最初の聴取では全容解明ができなかったため、野球賭博問題で押収された千代白鵬と竹縄親方(元幕内・春日錦)以外の携帯電話などで“真相”を突きとめる方針を固めた。望月委員は、携帯メールの記録に関しても「再現できるものは全部」とし、民間の会社に分析を依頼した。

 提出はあくまで任意のため、拒否することはできる。とはいえ、提出しなければ逆に、あらぬ疑惑をかけられる可能性も否定できない。仮に提出に応じない場合について「(拒否は)ありえないというスタンス」と望月委員は前向きだが、プライバシーに関わる問題でもあり、波紋を呼ぶことも考えられる。

 調査委員会は14人への再聴取の可能性を示唆し、真相究明は長期化しそうな様相を呈している。それ以上に新たなメールなどに他の力士が関与した記録が残っていれば、事態が深刻化することは明白。相撲協会は土俵際に追い込まれた。

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2011年2月5日のニュース