激変するアジアの勢力図 「本家」ケイリンも惨敗

[ 2010年11月17日 17:46 ]

 本家の威信をかけた日本生まれのケイリンは、実施3大会目で初めてメダルを逃した。前回まで11大会全勝だった男子スプリントでも日本不敗の伝統が途絶え、自転車トラック種目は金メダルなしと惨敗した。「絶対に金一つは取れるはずだった」。班目監督に落胆の色が濃かった。

 6人で争うケイリンの決勝。ラスト1周で中国とイランの選手が落車し、後方から避ける形になった渡辺は「もうワンテンポ早く仕掛けていれば」と悔やんだ。日本から1人しか決勝に残れず、1、2位を占めたマレーシア選手2人の戦略にも阻まれた4位だった。
 近年はアジア各国が外国人コーチを招き、勢力図も中国を筆頭に激変する。躍進するマレーシアはオーストラリアを年間拠点として世界レベルのトラック専門選手を育成。イランも急成長した。
 日本は本業の競輪との両立が常に課題となる。男子スプリントで中国に力負けした北津留は大会直前まで「仕事」の競輪に出て広州入りした。「もっと組織されたチームを組んで戦わないと。(自動車レースの)F1に個人で出ても勝てない。このままでは日本が一気に取り残される」と危機感をにじませた。(共同)

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2010年11月17日のニュース