北津留は銀 日本12大会不敗の伝統途絶える

[ 2010年11月17日 11:42 ]

男子スプリント決勝 2位になった北津留翼(手前)

 広州アジア大会第6日は17日、中国の広州で行われ、自転車の男子スプリント決勝で前回覇者の北津留翼(日本競輪選手会)は中国選手に敗れて銀メダルに終わり、この種目で全勝中だった日本は12大会目で初めて優勝を逃した。3位決定戦は新田祐大(日本競輪選手会)がマレーシア選手に勝った。

 「爆発力なら負けない」と自負するスピードが通じなかった。1対1で駆け引きしながら、先着を争う男子スプリント。前回覇者の北津留は「ぶっちぎりで強い相手」と警戒していた張磊(中国)に連覇を阻まれた。この種目での日本不敗の伝統がついに途絶えた。
 1回目。後方から様子をうかがい、1周目の終盤から仕掛けて逃げ切りを図ったが、ゴール直前で逆転された。「同じスピードと力であれば決まるパターン。相手が上だった」。勝負の2回目。相手の早めの仕掛けで一気に差をつけられた。63センチの太ももと背筋力225キロのパワーを武器にする走りは及ばず「無理でした。1本目のミスが大きかった」と無念さをにじませた。
 前回ドーハ大会まで日本勢は11大会全勝だった。北京五輪にも出場した25歳の競輪選手は「別の仕事と掛け持ちで両立は難しい」と競輪とはまた別物の自転車競技で苦杯をなめ、複雑な表情だ。
 フランス人監督を招いて国策強化を進める中国の強さは本物だった。北津留は「中国の強化態勢には驚いた。日本は置いていかれる」。アジアの舞台でお家芸のプライドが打ち砕かれた。

 ▽北津留翼の話 無理でした。ちょっと1本目のミスが大きかった。同等の力だったら決まるパターン。中国がすごく強化していて日本は置いていかれていると思う。(共同)

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2010年11月17日のニュース