個人メドレーの高桑 4年前の借り返し金!

[ 2010年11月17日 20:54 ]

男子200メートル個人メドレーで優勝し、ガッツポーズで喜ぶ高桑健

 【アジア大会】競泳決勝6種目を行い、男子200メートル個人メドレーの高桑健(自衛隊)が1分58秒31で金メダルを獲得した。400メートルを制した堀畑裕也(日体大)は3位。女子100メートル背泳ぎの酒井志穂(ブリヂストン)は59秒87で200メートルに続き、銀メダル。

 女子100メートル自由形の上田春佳(東京SC)と同800メートル自由形の藤野舞子(FBインター)、男子100メートル自由形の藤井拓郎(コナミ)はそれぞれ3位に入った。北京五輪男子400メートル自由形の覇者、朴泰桓(韓国)が100メートルを制し、自由形3冠を達成した。

 いつもひょうひょうとした高桑の胸に、期するものがあった。「日本の流れが悪い。思い切りのいいレースで盛り上げたい」。前半から積極的に飛ばし、男子200メートル個人メドレーで圧勝。男子200メートル平泳ぎを棄権することが決まったエースの北島から「頑張れよ」と激励された25歳の自衛官が期待に応えた。
 気合が力みにつながらないように気を付け、最初のバタフライから大きなストロークでリードを奪った。不得手の背泳ぎもうまくまとめ、前半の55秒83は自身の日本記録を上回った。「スタミナ不足」で最後の自由形はやや失速したが、2位に1秒41の差をつけた。
 4年前の借りを返すための場でもあった。前回のドーハ大会はこの種目で2位に敗れ、レース後に人目をはばからず涙を流した。
 「自分の甘さが恥ずかしかった」。ドーハ大会の約4カ月前に初出場したパンパシフィック選手権で銅メダルを奪い、気持ちがゆるんでいた。オフを取り「顔がボウリングの球みたいになった」と体重が8キロも増え、アジア大会に調子を合わせられなかった。
 笑顔を絶やさない男がレース直後に泣いたのはあのときだけ。2年後のロンドン五輪で表彰台を目指すだけに、1分58秒台のタイムには「納得いかない」とも漏らしたが「4年前の自分に勝つ」という目標を果たし、両手を広げて歓喜に浸った。

 ▽高桑健の話 前半から思い切っていった。特にバタフライが自分の大きなリズムで泳げた。今大会は悪い流れなので、思い切りのいいレースで盛り上げたかった。(共同)

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2010年11月17日のニュース